研究課題/領域番号 |
23501183
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
吉根 勝美 南山大学, 経済学部, 准教授 (50230785)
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研究分担者 |
野崎 浩成 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (80275148)
山住 冨也 名古屋文理大学, 情報文化学部, 教授 (90240001)
磯本 征雄 名古屋女子大学, 家政学部, 研究員 (10029994)
長谷川 信 岐阜聖徳学園大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (00514952)
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キーワード | 統計学 / レポート作成支援 / 対話型支援 |
研究概要 |
本研究の目的は、問題発見・問題解決の訓練に特化したe-Learning「コンピュータ支援型論理思考訓練システム」を実現することにより、学士力の一部を構成する問題解決能力・数理的スキル・創造的思考力の育成に寄与することである。この目的を達成するため、研究開発の4段階を次のように設定した。第1段階では、創造的思考力を誘発する教育戦略構想を検討する。第2段階では、学習内容に関わる教材・資料のデータベースや学習支援方略に直結する知識ベースを構築する。第3段階は、学習支援方略のソフトウェア化とマンマシンインターフェイスを設計する。第4段階で、これらの有用性・有効性と限界を確認するための実証実験を行う。特にシステム部分では、学習者の回答に対して、コンピュータが新たな質問を問いかけることを繰り返す対話形式による訓練を想定している。これは、学習者の問題発見に対する自覚や推論過程の認識を明確に意識させるためである。 本研究で開発するシステムでは、「統計データからの問題発見」を思考訓練の具体例として採用している。幅広い学問分野領域で活用されていることもさることながら、ビジネスパーソンに必須のスキルとして近年重要視されていることからも、統計学が思考訓練の例題として適切だと考える。 平成24年度は、前年度に引き続き、コンピュータを用いたデータ分析の授業で学生が提出したレポートを分析し、第2段階の知識ベース化を進めた。特に本年度は、12か月分のデータという構造に着目した分析を実施した。実際の授業で出題したデータは、大型小売店における販売額であったり、1世帯当たりの食費支出であったりと、内容はまったく異なるが、データの構造に着目した分析ならば、使用する単語が異なるだけの定型的な文章で説明することが可能であり、レポートの分析から、そのような定型文を抽出することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要で述べたように、第2段階の知識ベース化が進んだことにより、第3段階のソフトウェア開発が具体化されたため。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、研究のまとめとして、研究実績の概要で述べた第3段階と第4段階を並行して実施する。すなわち、ソフトウェア開発を進めつつ、システム化の検証を行う。この検証作業には、実際のレポートで学生が回答した文章を用いることができるので、開発と検証を並行して行うこととし、徐々にシステムの完成度をあげていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
ソフトウェア開発を平成25年度から具体化することとしたことにより、使用額が当初の計画を若干下回ったために、次年度使用額が生じた。 平成25年度は、システムを実際に稼働させるハードウェアの購入のほか、主に、研究発表のための旅費、および研究のまとめを印刷する費用に、研究費を使用する計画である。
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