研究課題/領域番号 |
23501185
|
研究機関 | 皇學館大学 |
研究代表者 |
小孫 康平 皇學館大学, 教育学部, 教授 (60260022)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
キーワード | 教育工学 / シリアスゲーム / ユーザエクスペリエンス |
研究概要 |
1.コントローラのボタン操作信号記録装置の評価 本研究では、開発したコントローラのボタン操作信号記録装置を用いて、妥当性を検討した。その結果、Aボタンと上ボタンを同時に押すという「同時押し」の測定も可能であることが確認できた。2.ゲームプレイ時のボタン操作過程と心的過程に関する実験 本研究は、ゲームプレイヤーがプレイを重ねて慣れていく過程で、コントローラのボタン操作行動にどのような変化が起こるのかを検討する。特に、慣れに伴うボタンの同時押し操作行動の経時的変化について検討した。実験では、16名を対象に、スーパーマリオブラザーズを用いて、脈波およびコントローラのボタン操作回数を測定した。その結果、右ボタンは左ボタンの約2倍押していることが明らかになった。また、時間経過に伴って左ボタン平均操作回数が減少した。さらに、A・上ボタン同時総操作回数と左・上ボタン同時総操作回数との間で正の相関が認められた。 ゲームプレイヤーがゲームをプレイする過程で、リアプノフ指数がどのように変化するのかを検討した。緊張状態では、平均リアプノフ指数相対値(プレイ前の安静時リアプノフ指数の平均値を1としたときのプレイ中におけるリアプノフ指数の平均値との比)は高かった。一方、リラックス状態では平均リアプノフ指数相対値は低かった。このように、脈波のリアプノフ指数は、ゲームプレイヤーが緊張あるいはリラックスしているのかが把握でき、ユーザエクスペリエンスの評価となり得ることが示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り、コントローラのボタン操作信号記録装置の評価およびゲームプレイ時のボタン操作過程と心的過程に関する実験を実施した。
|
今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策としては、シリアスゲームをプレイしている時のプレイヤーの情動変化を明らかにするために、顔の表情、瞬目率、脈波の生体信号を計測する。また、ゲームプレイ後に、学習意欲度・学習理解度質問紙、ユーザエクスペリエンスに関する質問紙を実施し、生体信号と主観的評価との因果関係を分析し学習効果について検討する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
当初、瞬目率のみの測定の予定であったが、顔の表情と情動変化との関連性が見出されたことから、より詳細な測定を実施する必要が生じた。そこで、顔表情解析ソフトウェア等の購入および研究の成果発表のための旅費が必要である。
|