研究課題/領域番号 |
23501187
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研究機関 | 園田学園女子大学 |
研究代表者 |
河崎 哲嗣 園田学園女子大学, 教育学部, 准教授 (00582488)
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研究分担者 |
守屋 誠司 玉川大学, 教育学部, 教授 (00210196)
岡部 恭幸 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (70425057)
垣東 弘一 園田学園女子大学短期大学部, その他部局等, 教授 (50369732)
小田桐 良一 園田学園女子大学, 健康科学部, 教授 (60330437)
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キーワード | 数学的モデリング / 教員養成 / 文系大学生 / ICT活用 / 遠隔教育 |
研究概要 |
小学校における教材作りを目指した結果として、平成24年2月に発表した(1)季節によって影のでき方が異なる内容を扱った数学的モデリングの教育内容、平成24年8月に実施した(2)L字型廊下を通ることができるソファーの面積が最大となるモデルを扱う教育内容の2つを教材とすることにした。(1)については実現ができなかったが、(2)については京都教育大学の大学院生をアシスタント指導員として、児童の様子を観察させながらサポートのタイミングを記録させた。児童がモデルを作り上げる難しさと指導の難しさの評価をまとめた。この体験によって学生が模擬授業を実施したときに、教育内容の改善や指導方法についての新しい見地を得ることになった。この教育実験の成果については、平成25年度のICTMA16(ブラジル)で発表することにした。 しかし、大学生による模擬授業交流を実現するために、7月のICME12(韓国:The 12th International Congress on Mathematical Education)での情報収集・打合せを行う予定であったが、校務により参加できなかった。そのため大きく軌道修正をすることになった。さらに、国内での遠隔教育システムを使った模擬授業の実施についても、分担者の転任による研究の環境の変化があり、整理し直すことにした。だが、IPAD等によるICT活用の研究の道筋は継続している。 大学教育における数学的モデリングの授業カリキュラム案は作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度では整理発表する予定だった投稿用論文を、国際論文(オーストラリア,ブラジル,ドイツ)に3本、国内用に1本作成したことは、基礎研究の内容として概ね順調であった。さらに実際に小学生を対象とした教育実験を行い、その成果についての論文作成に着手している。 (1) 学生に対する学力テストや調査、小学校の実態に関する文献調査も全体像を把握する上で達成した。 (2) テレビ会議システムを活用して国際遠隔協同学習を実施して、国際比較研究の実施に成功した。本研究のために作成した玉川大学の実施カリキュラムを参照し、神戸大学・園田学園女子大学・京都教育大学の各大学にて教材化に向けての充実した話し合いができている。カリキュラムのうちの1つ2つの教材の実践が妥当であろうという方向となっている。 (3) 数学的モデリング授業の有効性を測る授業の事前・事後の調査については、神戸大学側に分担したが、これについては今年度未だ成熟していない。継続研究になる。 (4) Ipad2の活用イメージーの構築は、各分担者に任せており、継続研究である。 当初の目的として、小学校教員養成のカリキュラムを持つ大学で、算数が苦手で嫌いだが、小学校教員を目指す学生が、算数を教えられる資質まで高められるかどうかが大きな問題は変わらない。一定の評価を出すために小学生相手に、学生達にサポートをさせたことは成果があった。平成23年度は、研究の目的の数学的モデリングの実践力育成モデル授業の提案の基礎研究を満たし、平成24年度は小学生対象の授業を実践し、数学的モデリングの教材としての有効性を確認できたといえる。
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今後の研究の推進方策 |
研究分担者の一昨年度の転任、さらに次年度には代表者も転任し、研究フィールドが大きく変わった。当初予定していた学生集団を研究対象とする教育実験はできなくなった。しかし、小学校教諭を目指す大学生を教育する環境は変わらずに維持されている。したがって、先ず研究2年目に実践した教育実験の成果と教材の有効性についてICTMA16(ブラジル)で発表・投稿する。そして、玉川大学の実施カリキュラムのうちの1つを選び、算数教育の課題を明らかにした上で、小学校における授業案を学生に考えさせ、模擬授業を行わせる。教材の有効性について検討をする。特に、影の移動についての数学的モデリングにおける必要な教育内容の検討を行う。対象は教員養成課程の学生が困難であれば、そこを目指す高校生を対象とする。
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次年度の研究費の使用計画 |
最終年の次年度では、物品費220,428円、旅費200,000円、その他335,200円とする。分担者に配当して実施する。
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