研究課題
本研究では、実社会で通用する英語運用力を養うため、学習者自身の自律学習習慣の形成および語彙処理の高速化や自動化を促す、より効率の良い学習法を提供をすることを目指した。今年度は、作成したWeb学習コンテンツおよび英語読解力テストへの修正を加えた後に実施したオンライン上での心理状況調査アンケートの結果から、特徴ある回答者を抽出して、半構造化面接の内容を分析した。各種テスト結果と面接での回答を合わせて分析すると、近年の英語教育研究および教育現場では、理解力テストによる得点の科学的証拠の重要性が強調される量的分析に傾倒してきたが、個々の学習者の問題が生じるプロセスを見い出すことの重要性が示された。修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)(木下、2007)の理論に従えば、学習者がある間違いにたどり着く理由を探ろうとする時に、テスト得点の量的分析のみに頼らず、収集した種々のデータから、なぜその一つの結果がもたらされているのかというプロセスを多角的に比較観察することができると判明した。以上の考察を通して、教育現場で応用することができる個別学習者への助言作成のために収集すべきデータタイプは、本研究で検証したWeb配信の書込み形式テストと自信度アンケート、さらに少数の学習者を対象として継続的に実施する半構造化面接の結果を統合したものであると考える。本稿では、これらのデータの相互の関連性を総合的に分析し、学習のプロセスを見ていくことの重要性を報告する。
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THE JOURNAL OF ASIA TEFL
巻: Vol.10, No.4 ページ: 163-183
12th International Conference on Information Technology Based Higher Education and Training (ITHET) IEEE Catalog
巻: 978-1-4799-0085-5 ページ: CFP13578-USB