研究課題/領域番号 |
23501192
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研究機関 | 石川工業高等専門学校 |
研究代表者 |
金寺 登 石川工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (50194931)
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キーワード | 教材情報システム / ビデオ教材 / サブトピック検索 / 検索キーワード補完 / 音声認識 / 講義ビデオ |
研究概要 |
ブラウザでキーワードを指定し、インターネット上から必要な情報を得ようとしても、必要のない情報に埋もれて必要な情報を取り出すことが困難であることが多い。特にビデオの場合には、目的の場面の抽出に時間を要する。膨大なビデオ情報から必要なシーンを効率よく検索することは非常に重要な問題となっている。予習や復習のために講義ビデオや各種コンテンツを効率よく活用するためには、必要な教材や教材中の場所を敏速に検索できることが望ましい。そこで、知識を活用した講義ビデオ検索システムを開発することが本研究の目的である。 平成23年度には、入力されたキーワードより、辞書、上位・下位概念、およびこれらの組み合わせを用いて、関連キーワード及び話題インデックスを生成し、講義ビデオ検索性能がどの程度改善されるかを調査した。平成24年度は、効率よく検索できないケースについて、人間の思考過程を調査した。その結果、暗黙の話題情報を利用していることがわかった。授業や講演などを検索する場合,検索したい該当シーンに話題の情報が含まれないことがある。幸い講演等では,最初に概要を述べることが多い。また講演等の最後にはまとめとして,講演全体の要約が含まれることがある。よって講演等の最初のシーン,最後のシーン,前後のシーンの情報を話題情報として利用するコンテンツ補完を検証した。コンテンツ補完やキーワード補完を用いて音声情報検索を行った結果,コンテンツ補完とキーワード補完を併用した場合に最も検索性能が高いことがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
下記のように予定通り、研究を実施し、予定の成果が得られた。 [4月~8月] ヒューリステックモデルの作成。 [5月~10月] ヒューリステックモデルのルール化。 [8月~11月] 個別検索性能評価: ルールベースのヒューリステックモデルを用いる方法について、講義ビデオ検索性能を調査し、各種辞書、統計的モデル(上位・下位概念)によるキーワード拡張、サブワードモデルによる方法による検索結果と比較。[12月~2月] 総合検索性能評価結果: ヒューリステックモデル、統計的モデル、サブワードモデルを併用する方法について、講義ビデオ検索性能の改善を調査。 NTCIR-9 formal 音声文書検索タスクにおいて検索性能を調査した結果、講演等の最初のシーン及び前後のシーンを話題情報として利用するコンテンツ補完の有効性が確認された。また、コンテンツ補完とキーワード補完を併用した場合に最も検索性能が高いことがわかった。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに得られた結果を取りまとめ、成果の発表を行う。また、知識を活用したビデオ検索システムを研究室ホームページ(http://sail.ishikawa-nct. ac.jp)に公開する。さらに我々が開発・運用している高専間教育素材共有システム(http://ctm.ishikawa-nct. ac.jp)では、内容検索を実装しているが、これに本研究のビデオ内容検索機能を追加する。
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次年度の研究費の使用計画 |
設備備品費 549千円(計算サーバ、公開用サーバ) 消耗品費 137千円(ビデオ保存用HDD 100千円、ビデオ編集ソフト37千円 他) 旅費 250千円(研究打ち合せ・資料収集・発表) 謝金等 64千円(評価試験謝金) 計 1,000千円
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