研究課題/領域番号 |
23501194
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研究機関 | 豊田工業高等専門学校 |
研究代表者 |
竹下 鉄夫 豊田工業高等専門学校, 情報工学科, 教授 (20149933)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 教育工学 / 教材情報システム / 文字認識 / マルチメディアと情報 / 主成分分析 |
研究概要 |
「文字認識学習システム」のうち,特に,「多次元データの可視化」に注力し,研究を進めてきた。 まず(1) データの収集すでに存在する手書き文字データベースを用い,そのデータから特徴抽出を行い,多次元パターンとして,以後の研究に用いる。さらに学生等を筆記者として新しいデータの収集を行い,データを充実させた。(2)収集した多次元データの可視化。 (a)収集した多次元データを可視化する前に,準備作業として,たとえば,多次元正規分布のような分布の形状が分かっている多次元データを可視化する。これらは,多次元分布であっても,座標変換により,比較的可視化が容易なことがわかっている。このため主成分分析を用い多次元データを三次元に,次元圧縮した。 (b)三次元マウス「Phantom」は,三次元の空間位置座標に加え,マウスに相当するペンの向きを三方向,すなわち仰角・俯角・方位角も測定できる,すぐれた装置である。この三次元マウス「Phantom」を用い,座標軸の回転操作を容易に実施しながら,多次元分布を人の目で見ながら,分布の形状を判断することのできるツールを作成している。 (c)前段までの2-1と2-2で作成した多次元特徴データと多次元データの可視化に加え,多次元空間の各座標軸が,文字データのどの部分に相当するか,対応関係を表示するツールを作成している。多次元空間を想定することが難しいような例においては,単なる数学的な処理の説明のみに終始しがちであるが,文字認識という,特徴パターンが文字の字形と密接に関連している場合,具体的なデータにより多次元データを可視化できるよう工夫している。(3)これまでの研究成果を,2011年9月シンガポールにて開催された国際会議「International Symposium on Advances in Technology Education」において発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データの収集と可視化ツールの作成が順調に進んでいること。さらに,先行的にこれら可視化ツールの実現例を国際会議において,発表できたことは,当初の研究の達成予想を越え,順調に進行しているといえる。 一部,三次元マウス「Phantom」について,パソコンのOSの更新や使用ソフトについての制限が問題となって,システム開発に,難渋している。文字入力装置として,近年急速に普及しつつある「タブレット」にシステムを導入することで,初期の成果を上げることが期待できる見通しが得られたので,これについての,試行的な実験を行い,その効果を測定することを計画している。
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今後の研究の推進方策 |
判別の可視化を進めるべく,多次元空間のカテゴリーの異なるデータ群が,どのように分布しているかを空間の操作とともに分離の状況を理解できるようシステムの改良を重ねる予定である。 さらに,システムの成果を外部に公開する際,国際化を意識し,日本語のみでなく,「英語」表示についても可能なシステムとする。
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次年度の研究費の使用計画 |
予備的な実験を行い,成果の確認を行うとともに,データの整理を行い,まとまった時点で外部への発表を考える。このための旅費を使用する。 また,国際化を意識した,WEBページの英語化表示が可能となるよう研究補助者に対する謝金について支出する。
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