研究課題/領域番号 |
23501196
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研究機関 | 津山工業高等専門学校 |
研究代表者 |
大西 淳 津山工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (60311073)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | プログラミング教育 / C言語 / 可視化 / eラーニング / 自学自習 |
研究概要 |
本研究の最終的な目的は,研究代表者が独自に開発してきたC言語プログラムの動作過程を可視化するツールが,プログラミングを効果的に自学自習するためのeラーニングサイト構築の有力なコンテンツとなりうるか否かを判断することである。このような目的の下,事前の計画では,平成23年度の年度目標を,(1)これまでに開発してきたプロトタイプ版のツールをWebアプリケーション化すること,(2)本ツールを実際の授業で利用して問題点を洗い出し改善すること,(3)最終的に完成するeラーニングサイトを評価する際の対照用データとするため現行のプログラミング教育の状況(自習時間,習熟度)を調査すること,の3点としていた。 このような年度目標に対し,(2)については,if文などの文法的な制約の除去,ポインタの可視化方法の改善など,いくつかの問題点を洗い出し,改善方法を検討した。改善後のツールは,学習者にはおおむね好評であった。また,(3)については,あるプログラミング授業について,1週間平均の自習時間が30分から1時間であり,ほとんど自習しない学生が約38%存在すること,理解度に対する学習者の自己評価の平均が5段階中約3.6であることがわかった。このように,年度目標の(2)と(3)については,ほぼ目標を達成した。 しかし,年度目標(1)については,完全な達成はできなかった。Webアプリケーション化については,入力されたC言語プログラムのソースリストをC言語の厳密な文法に則って解析し,実行することができるようになった。文法的制約がなくなったので,ツールの有用度は向上した。また,プロトタイプ版のツールではあるものの,ツールの利用状況をWebサーバ上で集計するシステムとの連携はできるようになった。このことは,最終評価の実施に大いに役立つと考える。しかし,Webアプリケーションではソースリストの動作過程を可視化することは実現できていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」に記したとおり,3つある平成23年度の年度目標のうち,2つについてはほぼ完成している。遅れているのは,本ツールのWebアプリケーション化である。しかし,申請時の研究計画でも指摘してあるとおり,このWebアプリケーション化の作業が遅れることは予め想定済みであり,作業が平成24年度にずれ込んでも,研究の進捗に大きな影響が出ないよう計画されている。
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今後の研究の推進方策 |
研究は概ね順調に進んでいるので,基本的には,申請時の研究計画に従い,平成24年度は,eラーニングコンテンツの作成を行う。あわせて,平成23年度に遅延してしまったWebアプリケーション化の作業についても,研究計画通り,平成24年度に実施する。また,計画より早く,平成23年度中に査読付き論文として投稿可能な成果が完成した。そのため,この成果については,平成24年度に成果とりまとめと論文投稿を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度は,計画では旅費のみの使用であった。しかし,予定より早く,平成23年度中に査読付き論文として投稿可能な成果が完成した。そのため,旅費の一部を論文投稿費用に転用する予定である。その残りは,計画通り,成果報告や情報収集,打ち合わせのための旅費として使用する。 「次年度使用額」(約3,000円)は,前年度の物品費の残金として発生している。これは,平成24年度に旅費に合算して利用する予定である。
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