研究課題/領域番号 |
23501197
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
森川 治 独立行政法人産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジー研究部門, 主任研究員 (50358181)
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研究分担者 |
戸田 賢二 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 主任研究員 (70357565)
前迫 孝憲 大阪大学大学院, 人間科学研究科, 教授 (00114893)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 遠隔授業 / 一体感 / テレビ電話 / 静止画追加 / 合成映像 / ハイパーステージ / ハイパーミラー |
研究概要 |
一般にテレビ電話では、伝わる画質に限界があるため、普段どおりに書いた黒板の文字はそのままでは伝わらない。そのため教師たちは、色、線の太さ、字の大きさ等を工夫して、遠隔授業を進める必要がある。一方、静止画であれば普段どおりに書いた黒板の文字であっても、通信時間をかけさえすれば、鮮明な画像を送受信でき、授業に利用可能である。線がぼやけて文字が読めない、色がにじんで色分けした図が読めないといったトラブルが回避できる。本研究では、黒板など背景写真を静止画として別途送り、その上に教師や児童の映像を重畳表示することにより、低容量回線でも高画質画像を活用できる遠隔交流学習の実現を目指す。 平成23年度は、事前に用意した背景となる静止画の上に、ビデオカメラで撮影した1枚の動画を重畳表示できる画像合成システムのプログラムを試作した。比較事例として、静止画を追加する場合、静止画を動画とは別窓に追加表示する方式を検討した。この方式は簡単であり、それなりに有効であるが、たとえば、板書と教師の映像を別窓で表示すると、それぞれは正しく伝わるが、「教師が書いた板書」という情報は薄まって伝わる欠点があることが確認された。 試作プログラムの動作確認を行った結果、モニタの関係で高解像度の静止画であっても、表示サイズが小さいと文字が読み辛いとの意見が出され、画面の任意の部位を中心に受信側で拡大できる機能を追加し解決した。プログラムの関係上、重畳表示した動画の解像度が320x240画素以上に上げることが出来ず、残念ながら現場では解像度不足で利用できないとの評価が出た。 これを受け、ハードウエア化の検討を行った。調査した結果、市販品の機材が今回の実験に利用できそうであることが判明した。しかし該当商品はプロ仕様のため高価であり、購入は不可能と判明した。現在、機材貸し出しの交渉中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
画像合成のソフトウエア版の作成は予定どおりであったが、プログラムの関係上、重畳表示した動画の解像度が320x240画素以上に上げることが出来ず、残念ながら現場では解像度不足で利用できないとの評価が出てしまった。ソフトエアの改良はライブラリなどの関係で事実上不可能であるため、専用機器での対応を検討したが、資金面で実験検討用の専用機器の購入も無理なことが判明している。現在、機材貸し出しの交渉中である。
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今後の研究の推進方策 |
市販の画像合成機器を借用使用し、動作確認実験を行い、提案方式の有用性を検証する。併せて、単一高精細大画面ではなく、アンドロイド端末やパソコンを使用して、複数モニタの組み合わせによるパネルディスプレイ方式での実現も検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初計画とおり、物品費280,000, 旅費290,000、人件費・謝金390,000 その他 240,000とし、新たに発生した機材レンタル費は、昨年度からの繰越金と物品費などから捻出して対応する予定。
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