研究課題/領域番号 |
23501197
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
森川 治 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 共同研究講座研究員 (50358181)
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研究分担者 |
戸田 賢二 独立行政法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (70357565)
前迫 孝憲 大阪大学, その他の研究科, 教授 (00114893)
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キーワード | 遠隔授業 / 一体感 / テレビ電話 / 静止画追加 / 合成映像 / ハイパーステージ / ハイパーミラー |
研究概要 |
一般にテレビ電話では、伝わる画質に限界があるため、普段どおりに書いた黒板の文字はそのままでは伝わらない。そのため教師たちは、色、線の太さ、字の大きさ等を工夫して、を進める必要がある。一方、静止画であれば普段どおりに書いた黒板の文字であっても、通信時間をかけさえ遠隔授業すれば、鮮明な画像を送受信でき、授業に利用可能である。線がぼやけて文字が読めない、色がにじんで色分けした図が読めないといったトラブルが回避できる。本研究では、黒板など背景写真を静止画として別途送り、その上に教師や児童の映像を重畳表示することにより、低容量回線でも高画質画像を活用できる遠隔交流学習の実現を目指す。 平成23年度にはWindowsで動く、画像合成システム(動画部の解像度が320x240画素)を試作し動作確認した。解像度不足等のため、残念ながら試作版の仕様では、教育現場で利用できないとの評価が出た。これを受け平成24年度は、高解像度化およびハードウエア化を検討し、平成25年度は、画像合成機材のレンタルによるシミュレーションを検討した。 シミュレーションを行うのに必要な仕様を満たす機材は存在せず、複数の放送機材を組み合わせることで対処可能なところまでは至ったが、レンタル料が予算内に納まらず、中止した。代わって、画像合成を想定した、高解像度の人物撮影用カメラ部の制作を行うことにした。最終的には、撮影した人物形状のマスクバターンによるビデオ出力が必要となるが、固定マスク画像版のビデオカメラ部を作成し、学会発表した。 延長した平成26年度には、マスク画像の改良をおこなう予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
距離情報も取得できるビデオカメラを使用することで、人物映像を切り出し、合成に利用できる見通しが立った。
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今後の研究の推進方策 |
固定マスク画像版のビデオカメラ部を改良して、撮影した人物形状のマスクバターンによるビデオ出力するカメラの作成を目指す。そのために、距離情報を取得できるカメラを用いた人物形状マスクパターン生成プログラムの開発を計画している。引き続き、プログラマーを募集し、実現を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
最終年度ということで、高解像度化に向け、画像合成処理装置の機材レンタルによる実証実験、ソフト制作の両面で検討した。前者は、希望した仕様の画像合成装置は現存せず、放送機器を複数組み合わせる必要があり、予算内でレンタルできる装置は見つからなかった。結果、後者のソフトの制作を採択し、制作期間を考え、固定マスク画像版のビデオカメラ部の制作、人物形状マスク版のビデオカメラ部の作成の2つの目標を立てて、プログラミングを行った。今年度は1つ目の目標が達成でき、2つ目の目標は次年度に実施することにした。 当初予定の仕様に近づけるため、2つ目のプログラミング目標である、人物形状マスク版のビデオカメラ部のソフトウエア作成の経費に充てる。
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