研究課題/領域番号 |
23501200
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
隠岐 さや香 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (60536879)
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研究分担者 |
野澤 聡 東京工業大学, 世界文明センター, フェロー (30599741)
小林 学 千葉工業大学, 工学部, 助教 (60447555)
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キーワード | 国際情報交流 / フランス / スイス / イギリス / オランダ / 数理科学史 / 技術史 / 力学史 |
研究概要 |
前年に引き続き、科学者集団が、土木建築、軍事、産業に関わる職人層・技師などとの間に役割分担を進めていく社会的な過程を検討するため、(1) 学者の協会・アカデミー制度の確立が起きた1660年代頃-1740年代頃(野澤)、(2)協会・アカデミー制度の権威化と国家による技術官僚機構の整備が進んだ1740年代頃から1780年代頃(隠岐)、(3)産業革命と結びついた民間技術者の台頭とそれに呼応した科学諸分野の発展をみた1780年代頃から1840年代頃まで(小林)の三つの時期について、分担者が一人ずつ担当し、研究を行った。 小林は渡英し、ロンドン王立協会などを訪問し、資料収集および実験器具、機器・機械などの調査を行った。研究協力者の中澤はオランダのアムステルダムで18世紀の河川整備と流体力学の理論形成に関連した資料収集と実験器具調査を行った。但馬は前年度に収集した資料の整理、分析と同時に国内で資料調査を行った。5月には野澤、研究協力者の中澤、そして代表隠岐が国内の学会で発表した。 9月22日には「物質・技術文化」概念と化学史の関わりを検討する研究会を東京で開催し、暁星学園の河野俊哉氏、一橋大学の淵田仁氏を招聘して講演・意見交換を行った。研究協力者の中澤も研究発表を行った。物質技術文化は、化学史においても力学史においても、教育、実験道具などの面で関わりを持つことが確認された。10月には但馬が国内の学会で発表を行った。12月23日には小林と野澤、但馬が研究の成果発表会を行った。また、外部からの講演者として東京工業大学の多久和理美氏が研究発表を行った。この研究会の成果を日本科学史学会誌のHistoria Scientiarum第二号に特集"Science and Material Culture"としてまとめることとし、各自論文執筆に取りかかっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国内外での調査、学会発表、外部からの研究者を招聘した秋と冬の研究会、研究協力者の派遣など、当初予定されていた計画がほぼ遂行されプロジェクトの二年目としては申し分のない調査の進展があった。 予定通りでなかったのは旅費使用である。当初はプロジェクト三年目に代表者もしくは分担者一名が国外の学会で発表を行う予定であったため、一名分のみの国外旅費が確保されていた。しかしながら、これまでの調査結果により個々の研究成果が一定の充実をみたため、プロジェクトメンバー全員が4年に一度の国際科学史学会で発表を行うことに予定を変更した。そのため出張の一部が2013年度に繰り越されることとなった。従って、この点を除けば、基本的に予定通りの進展であったため、評価は「おおむね順調」とした。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に引き続く分担体制で調査結果の分析を進め、同時に国内外の研究動向を把握するため文献収集を継続する。5月には分担者が日本科学史学会で発表する。7月には英国マンチェスターで開催予定の国際科学史学会での発表内容をまとめる。秋頃には分担者、研究協力者らが成果を英字論文にまとめ、Historia Scientiarum特集号として出版する。冬には最終成果報告のため、ゲスト講演者を交えた公開研究会を東京で行う。平成25年度末には研究成果をとりまとめる。また、そこから一冊の著作としての出版をめざし、出版助成を検討するものとする。
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次年度の研究費の使用計画 |
国内外での学会発表のため適宜旅費を使用する。学会誌発表のため適宜、事務に必要な費用の使用を行う。冬の研究会のための外部研究者招聘旅費と謝金も必要である。
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