生産のアジアを基盤技術形成に着目した本研究における研究成果の概要は以下の3点に集約できる。第一に、先進国である日本、中進国である韓国・台湾、後発国である中国、アセアン諸国を比較した場合、イノベーションの基礎となる基盤技術を有しているのは日本である。第二に、韓国・台湾については量産技術については非常に技術発達を遂げているが、その条件となる要素技術については依然として日本や欧米に依存している。第三に、後発工業国は労働分配率において優位性を持つが、依然として量産技術、要素技術を含め綜合的な技術形成するには至っていない。以上の特徴、技術構成のもとでのアジア間国際分業を明らかにした。
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