研究課題/領域番号 |
23501207
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研究機関 | 拓殖大学 |
研究代表者 |
日野川 靜枝 拓殖大学, 商学部, 教授 (90134832)
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キーワード | アルフレッド・L・ルーミス |
研究概要 |
7月21日~9月3日の期間を、アメリカ合衆国ボストン市のケンブリッジ地区にあるMITの図書館において学長カール・T・コンプトン文書とアルフレッド・L・ルーミス文書を調査しました。同時にまた、同地区のハーバード大学図書館では、学長ジェイムズ・B・コナントの文書を調査しました。以下、調査結果の概要を記します。 1929年の大恐慌後の1930年代は、経済破綻はもちろんのこと、アメリカ社会全体にさまざまな矛盾の噴出があったと考えられます。その1つがアメリカの大学教育の問題です。これは、ハーバード大学のコナント学長文書から明らかになるところです。MITではこの大学改革を、1930年に学長に就任したコンプトンと1932年に副学長・工学部長に選任されたヴァンネバー・ブッシュとが組んで、行っていきます。さらに、コンプトンは、学外的な役職として、1933年にはローズベルト大統領の科学諮問会議(Science Advisory Board)の委員となります。1934年には、Secretary of War Deanによって選ばれた民間人と軍人の協働する1つの委員会のメンバーにも選ばれます。つまり、コンプトンやブッシュはすでに1930年代初期から学内行政・学外行政・国家行政に深く関わっており、単なる科学者・技術者ではない科学行政官といえる役割を担うようになっていたと考えることができます。 今回の調査の主目的、ルーミスとコンプトンとの関連については、ルーミスがMITのコーポレーションの終身会員であり、コンプトンの学長特別基金に資金提供をしていた事実が明らかとなりました。この2人の密接なつながりは、ボストンからニューヨークに出かけたコンプトンが必ずルーミスと面談していることからも明らかです。しかし、面談や電話会談の場合には、残念ながらその内容の記録はまったく残されておりません。以上です。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記の「研究実績の概要」に示す通りに研究は進捗しております。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画の推進方策について、基本的な変更はまったくありません。それゆえに、次なる調査はワシントン,D.C.において、カーネギー研究所に所蔵されたヴァンネバー・ブッシュ文書を、さらには国立公文書館や議会図書館に所蔵された第2次世界大戦中の科学・技術の戦時動員体制関連の資料を調査して、注目しているアルフレッド・L・ルーミスの資料を発見することです。 しかし現在、こうした資料調査を1年先に延期しなければならない事情が発生しました。私は、2013年3月26日に都立駒込病院で甲状腺がんの手術を受けて、4月4日に退院いたしました。現在も、毎月1回の定期検診を受けております。 こうした事情から、2013年度はこれまでに収集した資料の分析と論文執筆をおこなう予定です。ワシントン,D.C.における資料調査は1年先に延期して、2014年度夏に実施する予定でおりす。なおその際には、研究補助者として若手研究者の協力を求める考えでおります。
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次年度の研究費の使用計画 |
2013年度は、収集資料の分析と論文執筆を予定しております。そこで、旅費費目の支出はありませんが、完成した論文の英語翻訳などのために謝金費目の支出が考えられます。
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