研究実績の概要 |
2011年度:夏にロックフェラー財団の資料調査で、財団の自然科学部長W.ウィーヴァーに着目しました。ウィーヴァーとアルフレッド・L・ルーミスとの交信は、面談や電話によるものが多く、文書資料としてその記録を発見することが困難でした。しかし、春のカリフォルニア大学バンクロフト図書館での調査によって、カリフォルニア大学放射線研究所の184インチ・サイクロトロンの開発に果たした、ウィーヴァーやルーミスの役割が判明しました。また、それは同大学の戦時体制づくりにも密接に関連します。今後は、研究契約についても調べます。 2012年度:ボストンのMITとハーバード大学の学長たち、すなわちK.T.コンプトンやJ.コナントたちとルーミスの交信記録を、ボストンのケンブリッジ地区にあるそれぞれの大学で調査しました。しかし、残念ながら新しい知見を得る資料の発見はありませんでした。新たな方針として、ルーミスとMITとの密接な関係を調べるには、MITの組織たとえばMITのコーポレーションとその終身会員であったルーミスとの関係を,コーポレーションの会議議事録などから解明することが必要だろうと考えています。今後の課題です。 2013年度:甲状腺がんの手術を3月26日に受けたために、資料調査の出張ができませんでした。国内に止まり、英文論文の作成や投稿などをいたしました。現在、レフリーのコメントをもとに、改稿・再投稿を目指しています。 2014年度:ワシントン,D.C.において、国立公文書館や議会図書館に所蔵されているルーミス関連の資料調査を行いました。残念ながら国立公文書館では、ルーミスの交信記録を発見できませんでした。しかし、議会図書館では、V.ブッシュ文書中などにルーミス・ファイルを見つけることができました。資料の解析は今後の作業です。
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