1.アンドリュースの日本での活動:アメリカ自然史博物館(ニューヨーク市)でアンドリュースの手紙と写真、調査日誌の複写、スミソニアンアーカイブ(ワシントンDC)でアルバトロス号の調査日誌等を閲覧し、アンドリュースの1909-1910年の日本周辺での足取り、そして収集標本の来歴について調べた。アンドリュースの足取りは、経由地や年月を特定し、写真についてもほとんどの被写体を特定した。収集標本についても、手紙から来歴や関係者の特定ができた。 2.日本の近代鯨類学草創期:岡田利信関連資料を複写したほか、ニッスイパイオニア館(北九州市)保管の「事業場長必携」を複写解読し、近代捕鯨初期の捕鯨者の鯨類に関する知見と認識を調べた。 3.「第一鯨学」の展開:書籍や論文を用い、東京大学総合研究博物館の収蔵資料から小川鼎三収集標本や神谷敏郎関連資料を特定したほか、国立科学博物館収蔵鯨類標本から小川資料を捜索した。 4.マリンランド導入の歴史:「NHKアー カイブス学術利用トライアル研究II」により、1970年代以前の水族館や鯨類に関するニュースや番組の視聴を行い、水族館での鯨類飼育や生体の捕獲と運搬について、映像資料の抽出と被写体の特定を行ない、従来、文章によって知のみられていた事象について視覚的な情報を得た。
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