江戸末期までの本草書および明治期以降の学術書、専門雑誌に掲載された棘皮動物、甲殻類、両生類、げっ歯類の種の量的変化、図譜の記載の特徴を文献的に調べ、近代西洋動物学が我が国導入されることにより、どのように動物「種」の認識が変化したかを探究した。明治期以降の教育制度の整備と標準和名の普及は対応していた。また、20世紀初頭、来日し日本産両生類を採集し新種として記載して、アメリカへ持ち帰ったスミソニアン博物館学芸員スタイネガーの日本産動物の液浸標本を調査し、採集時期と種を確定した。さらに、旧台北帝国大学理農学の動物分類学者、青木文一郎が採集したげっ歯類の種と採集数を計数しデータベース化を試みた。
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