研究課題/領域番号 |
23501225
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
堀尾 尚志 神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 名誉教授 (00031229)
|
研究分担者 |
廣田 義人 大阪工業大学, 公私立大学の部局等, 教授 (20346159)
森田 恒之 愛知県立芸術大学, 美術学部, その他 (10133612)
奥村 弘 神戸大学, その他の研究科, 教授 (60185551)
天野 雅敏 岡山商科大学, 商学研究科, 教授 (80122985)
山口 悦司 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (00324898)
|
キーワード | 技術映画 / 技術史史料 / 技術教育教材 / 技術産業理解の増進 / 映像資料論 |
研究概要 |
1. 技術教育への活用:①技術に対する関心の特性~工作機械関連の映画3本を鑑賞した学生に対し聞き取りをした結果、関心のほとんどが最終の製品そのものに向けられ製造工程に対しては薄いことが判明した。②授業における映像の効果~「工作実習」でのボール盤作業実習において「新しいドリル」(企画不二越、制作電通映画社、1962)を見せて感想文を書かせ、2週間後に個々の学生に質問した。作業に先立ち見たグループでは切子の生成を映像で見たようにする工夫をしたのに対し、後で見たグループでは、ドリル先端の形状など気が付かなかったことに意識が集まっていた。なお、映像を見せなかった別のグループの多くが、作業そのものの記憶が薄くなっていることが判明した。 2.技術開発に係る技術者のメンタリティについて:1960年代に数多くの技術映画を企画・制作していた工作機械製造会社に保存されている映画企画書、シナリオ、社内報等から、開発に係る関係者のメンタリティを分析した。そして、「ものつくり」なる概念は日本的特性の所産ではなく普遍的な事象あることの実証例を得た。 3. 技術史研究として:技術映像の意味として「実態保存」なる概念を提唱した。すなわち、技術映画には工程や運転状況とともに作業者の姿勢や手つき、あるいは作業環境等が映されている。それは技術が運用されていた「実態」の保存である。その意義を、抽出した該当シーンにより考察・検証した。 4. 社会への還元:①本課題でデジタル化した映画「ブルドーザ整備編」、「同施工編」及び「ミシン」の配信を開始した。なお、権利関係が整理されたものについては、今後順次配信していく予定にある。②アーカイブ活動への指導・支援を2回行った(平成25年度)。
|