動物園の教育活動の中で、飼育体験は参加者が大人であっても子どもであっても、動物や飼育についての認識や態度に様々な変化をもたらしている。その要因が、体験中の飼育担当者が語る説明の内容と方法にあると考え、飼育担当者の発話を詳細に分析した。その結果、同じ事柄を説明する際にも、飼育担当者は、子どもの参加者に対しては、質問しヒントを与えて答えを探究・発見させる働きかけ、動物の気持ちの代弁、日常生活にひきよせた説明という方法を用いていた。大人の参加者にはそれらは用いず、参加者の初期認識の支持とゆさぶりという2つの方法を組み合わせることで新たな認識形成を実現していた。
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