研究課題/領域番号 |
23501235
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研究機関 | 北九州市立自然史・歴史博物館 |
研究代表者 |
真鍋 徹 北九州市立自然史・歴史博物館, その他部局等, その他 (90359472)
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研究分担者 |
川窪 伸光 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (60204690)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 博物館学 / デジタルデータ / 動画 / インターバル撮影 |
研究概要 |
本研究は、身近ではあるが日常的な生活リズムでは認識しにくい自然現象を、インターバル撮影によってデジタル動画データとして記録し、アーカイブ化し、編集し、活用するまでの一連の手法の構築を目的としたものである。 研究初年度は、インターバル撮影による自然現象の可視化のための記録手法(撮影手法)の構築に主眼を置き、1)文献調査等による関連研究の事例調査、2)収集すべき動画のテーマとそのテーマに基づいた具体的な題材の選定、3)テーマの実現に適した予備撮影場所の選定、4)予備撮影場所の自然・社会状況に応じた撮影機材の選択・撮影機材の設置方法の検討、および5)予備撮影を行った。 初年度は短時間スケール(数時間~数日)に焦点を絞り、次の2つのテーマについて事例研究を実施した。まず、一般に光の届かない世界と思われている天然林の林床にも僅かながら光が差し込んでおり、それらの光を利用することで林の次世代を担う実生や稚樹が生活できているという森林科学の主要テーマを取り上げ、長崎県対馬市の龍良山照葉樹天然林で「天然林の林床における光環境の日変化」を具体的な題材として選定し、予備撮影を実施した。 また、潮の干満によって、干潟には異なった微環境が周期的に出現し、それにより多様な生物の生息環境が形成・維持されているという干潟生態系の特性をテーマとして取り上げ、北九州市曽根干潟において「干潟における潮の干満」を具体的な題材として選定し、予備撮影を実施した。 これら予備撮影に際しては、異機種のデジタルカメラの使用および異なる設置方法の援用により、どのような環境条件では、どの機種を用いて、どのように設置すれば良いかを検討した。初年度に実施した上記研究をとおし、短時間スケールにおけるインターバル撮影の記録手法の基礎を構築することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究初年度は、インターバル撮影による自然現象の可視化のための記録手法(撮影手法)の構築に主眼を置き、1)文献調査等による関連研究の事例調査、2)収集すべき動画のテーマとそのテーマに基づいた具体的な題材の選定、3)テーマの実現に適した予備撮影場所の選定、4)予備撮影場所の自然・社会状況に応じた撮影機材の選択・撮影機材の設置方法の検討、および5)予備撮影を計画した。 このうち、文献調査等による関連研究の事例調査は、情報収集がやや遅れている。一方、収集すべき動画のテーマとそのテーマに基づいた具体的な題材の選定に関しては、「天然林の林床における光環境の日変化」および「干潟における潮の干満」という異なる自然現象を取り扱った。また、予備撮影に際しては、異機種のデジタルカメラの使用および異なる設置方法の援用により、どのような環境条件では、どの機種を用いて、どのように設置すれば良いかを検討した。その結果、予備撮影としては良質な動画の撮影ができ、次年度に向けた基礎を確実に築くことができた。
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今後の研究の推進方策 |
【汎用的な記録手法の構築】 研究2年度目は、短時間スケールにおけるインターバル撮影の記録手法の汎用化に向け、初年度とは異なるテーマおよび撮影環境で同様の調査を実施する。また、初年度と同じ場所での異なる季節における撮影も検討する。さらに、中時間スケール(数十日~数百日)におけるインターバル撮影の記録手法の構築に向け、初年度と同様の調査方法を用いた研究を実施する。中時間スケールに適した自然現象として、草原や里山等の異質な環境における植物の開花から結実に至るまでの変化等を計画している。【アーカイブ化手法の構築】 得られた動画(生デジタルデータ)を、既存の安定した技術に基づき一次デジタルデータとしてアーカイブ化するための手法を検討する。既存の安定した技術の援用は、地域博物館レベルでの人的・予算的資源下でも可能なアーカイブ化の構築のための選択であり、地域博物館での一般化・汎用化をも視野に入れたものである。【編集手法の構築】 アーカイブ化した一次デジタルデータを、博物館の展示に利用できる資料(展示用画像)に編集するための手法を検討する。研究2年度目は、試作展示用画像を数本作成し、作品の効果的な展示手法も併せて検討する。この際、試作展示用画像に対する意見を広く市民から募るためのワークショップの実施を計画する。
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次年度の研究費の使用計画 |
より多くの生デジタルデータの収集・汎用的な撮影手法の構築に向け、野外設置用デジタルカメラの購入と野外調査のための旅費に重点を置いた使用を計画する。 加えて、より魅力的な画像編集手法の構築に向け、研究代表者と研究分担者との連携をより強化するため、研究打合せのための旅費も初年度以上に確保する。
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