研究課題/領域番号 |
23501239
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研究機関 | 上越教育大学 |
研究代表者 |
山縣 耕太郎 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (80239855)
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キーワード | 湖沼堆積物 / 歴史時代 / 環境変遷 / 東北地方日本海沿岸 / 環境同位体 / 火山灰編年 / 人為的インパクト |
研究概要 |
今年度は,新潟県佐渡市加茂湖における調査を中心に行った.調査対象地域に関する文献や自然環境データの収集を行うとともに,関係研究者からも情報収集を行っている.8月には,現地調査を行った.加茂湖において,数箇所で堆積物コアを採取するとともに,複数箇所で湖底表層堆積物を採取した.加茂湖は,湖盆の大部分が水深が5mを越え,底質も広い範囲で泥質であるため,最大で1mのコアを採取する事ができた.調査に当たっては,弘前大学と東北大学の研究者からの協力が得られた.現在,採取した試料について分析を行っているところである.今後,収集した古地図や歴史史料等をもとに復元した佐渡島の歴史的な経済状況の変化や土地利用の変化と合わせて,堆積物の変化を検討していく. また,新潟県新潟市の佐潟,鳥屋野潟,福島潟について予察的な調査を行った.調査対象地域に関する文献や自然環境データの収集を行った.新潟市の湖沼群は,新潟市の都市近郊に位置し,歴史時代から,人為的な活動の影響を強く受けてきたことが予想される.また,これらの湖沼は,比較的近接した位置にありながら,水文条件や立地条件が異なることから,堆積物を比較することによって古環境の空間的な変化や,湖の特性と環境への応答性を検討することを試みる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は,加茂湖と新潟平野湖沼群の調査を行う予定であったが,加茂湖のみしか調査を行うことができなかった.それに伴って新潟平野湖沼群の調査を26年度に行う予定である.すでにその準備作業は行っている.当初予定していた秋田県浅内沼の調査については,時間的に実施が困難ではあるが,実施できれば実施する.採取した試料に対する分析は,現在も進行中である.より,効率的に進行することを検討したい.
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は,本研究の最終年度である.平成26年度は,新潟平野湖沼群において,現地調査を行う予定である.また,採取した試料についても,順次分析を行い,歴史資料の収集分析も,各地域平行して行っていく.平成26年度は,このほかに補足的な野外調査を行うとともに分析作業を終了させる.最終的に得られた成果は,国内・国際学会で発表するとともに,研究成果をとりまとめ,報告書を作成する.研究が当初計画どおりに進まない時には,研究対象の湖沼を少なくすることを検討する.現在のところ,秋田県浅内沼の調査は実施できないかもしれない.
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次年度の研究費の使用計画 |
25年度の残額は1,727円であり,少額であったので,無理に0にすることはしなかった.そのまま次年度に有効に活用する予定である. 概ね,当初計画通りに研究を遂行する予定なので,研究費に関しても,計画通りに使用する予定である.特に,来年度は調査旅費として研究費を使用したいと考えている.学外に研究協力者を得ることを予定しているので,研究協力者の旅費として使用する予定である.
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