本研究は,東北地方日本海沿岸地域に位置する湖沼堆積物を対象に,歴史時代から現在までの環境変化を読み取り,歴史史料の検討とあわせて,歴史時代における人間活動による自然環境への影響を評価することを試みた.調査対象は,新潟県高田平野頸城湖沼群,佐渡加茂湖,新潟平野沿岸部湖沼群,青森県十三湖とした.各湖沼において堆積物コアを採取して,堆積物の層相観察および,炭素・窒素含量,鉱物組成,帯磁率,化学組成の分析を行った.その結果,各湖沼の堆積物コアに垂直方向の特徴変化が認められた.こうした変化は,各流域の歴史時代における土地利用変化,開発行為,治水対策など人為活動の影響を受けているものと推察された.
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