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2012 年度 実施状況報告書

伊勢湾沿岸流域の二次的自然環境形成が栄養塩循環と海域生態環境に与える影響の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23501240
研究機関三重大学

研究代表者

宮岡 邦任  三重大学, 教育学部, 教授 (70296234)

研究分担者 前川 行幸  三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (90115733)
キーワード海底地下水湧出 / 比抵抗探査 / 河口部 / 土地利用
研究概要

本研究では,陸域の人間活動による人為的インパクトを強く受ける閉鎖性水域である伊勢湾沿岸域における貝類および海藻類の生息分布の実態と,栄養塩供給の面で生息条件を強く規制すると考えられる陸域-海域の水・物質循環との因果関係について明らかにすることを目的としている。
2年度目にあたる平成24年度は,対象地域を河口付近を中心とした河口部から上流100m程度の河川区間および沖合50m程度にかけての範囲とし,海底および河床からの地下水湧出状況の把握を行った.また,河口部の北側の海岸線に沿って,前年度に引き続き海底からの地下水湧出の状況について調査を行った.
その結果,本年度については,調査を実施した範囲全域において海底からの顕著な湧出が認められなかった.このことは,海底からの地下水湧出形態が常に発生しているわけではなく,何らかの原因によって大きく変化することを示している.
今年度の調査は長潮時に行ったため,これまで実施した大潮の時と比べて,干満の差が小さいという条件があった.このように,潮汐など種々の条件の変化によって,海底地下水湧出形態への影響が現れる可能性があることが明らかになったことから,調査時の条件設定について,さらに絞り込みを行う必要性がでてきた.
次年度では,引き続き潮汐の状況を踏まえながら河口部を含む広域において調査・分析を行い,海域における海底地下水湧出地点や水質分布について地図化を目指すとともに,陸域における過去~現在にかけての土地利用変化と地下水・栄養塩涵養量の変化の推定を行うことで,さらに地下水流動系を媒介にした海域への栄養塩供給システムを解明し,成果としてまとめていきたい.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

河口部における調査条件の設定に,当初の想定以上に細かい配慮が必要なことが判明した.また,本年度は調査時の気象条件や海域の波浪などの状況により,調査を十分に行うことが困難であった.
一方で,調査を実施した結果を解析することで,問題点の整理や今後に向けた課題も絞ることができたので,来年度に向けて調査範囲や条件などを整理した形で,調査の実施と解析ができると考えており,現時点での遅れは十分に取り戻すことができると考えている.

今後の研究の推進方策

海域の生物活動(二枚貝の生息分布)と海底地下水湧出状況を河口部において検討する.
調査時期は,夏季(7~8月)と冬季(12月)を予定し,これまでに行ってきた調査結果との再現性を検討しながら,陸域からの栄養塩供給と二枚貝の生息環境との関連性についてまとめていく.
また,陸域の地下水水質分布と海域の海底地下水の水質分布などについて,マッピングを行うことで,陸域-海域の水循環が一般に理解できるような環境地図作成に取り組んでいく.

次年度の研究費の使用計画

分析機器の故障がない限り,当初の予定通りの予算執行を行えると考えている。
夏季および冬季調査,河口域および陸域の環境調査,生物分布調査などへの使用,調査時に採取した水サンプルの分析と分析に必要な薬品・実験器具・部品などの購入に使用する予定である。
また,環境地図作成にあたり,GISについての関連ソフトの購入を検討する.

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公開日: 2014-07-24  

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