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2013 年度 実績報告書

伊勢湾沿岸流域の二次的自然環境形成が栄養塩循環と海域生態環境に与える影響の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23501240
研究機関三重大学

研究代表者

宮岡 邦任  三重大学, 教育学部, 教授 (70296234)

研究分担者 前川 行幸  三重大学, 生物資源学研究科, 特任教授(継続雇用) (90115733)
キーワード伊勢湾沿岸流域 / 栄養塩流出 / 海底地下水湧出 / 比抵抗探査
研究概要

伊勢湾に面する三重県津市白塚海岸沿岸域における海底地下水湧出については,潮汐の変化に伴って湧出地点,淡水・海水の混合割合,水質,湧出量などに変化が生じることが確認されている。一方,白塚海岸の南側に隣接する河川の河口域において,潮汐の変化に伴う栄養塩の流出や伏流水の挙動の変化については明らかにされていない。本研究では,三重県津市を流れる志登茂川および安濃川の河口付近を対象に,潮汐の変化に伴う海底および河床からの地下水湧出形態について面的な把握を行い環境地図化を行うことを目的とした。
志登茂川・安濃川河口域における海底の電気伝導度分布調査では,顕著な淡水地下水の湧出が認められなかったが,河口部付近に周辺よりは値の低い35,000μS/cm以下の範囲が認められたことから,この範囲で若干の淡水成分の流出が存在していることが示唆された。一方,河口部北側の海岸付近には30,000μS/cm以下を示す海域がみられた。このことから,河口付近では,陸地部とは異なり海水が陸側に侵入しやすく,沿岸付近で強制的に上向きのフラックスを得ることが少ないため,海底からの淡水流出が顕著に発生しないことが考えられた。安濃川河口から1km上流部での比抵抗探査では,干潮時と満潮時で海域からの海水侵入の状態の違いから,河床からの湧出傾向にも変化が生じることが明らかとなった。このことは,陸域における地下水流動に伴う栄養塩供給の量の違いが,流出域である河口部河床および海底での生態環境に何らかの影響を与えていることを示唆している。
これらの海底および河床からの淡水地下水湧出形態の地域的な差異は,分布する貝の種類と個体数とも関連することが考えられた。一方,海底湧水の湧出地点の把握が,特に河川区域で困難であったため,広域での地図化に向けて,今後のデータ蓄積が必要である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 河口域における地下水湧出調査2013

    • 著者名/発表者名
      宮岡邦任,谷口智雅,大八木英夫
    • 学会等名
      日本地理学会2013年度秋季学術大会
    • 発表場所
      福島大学
    • 年月日
      20130928-20130929

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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