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2013 年度 実績報告書

透水構造の新しい可視化方法に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23501241
研究機関京都大学

研究代表者

後藤 忠徳  京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90303685)

キーワード自然電位 / 透水構造 / インバージョン / 水文学 / 地下水位 / 流動電位
研究概要

地下水流動パターンの可視化は、工学・理学・農学などの多方面で必須の技術である。本研究では、自然電位という物理現象の数値モデル化を通じて、地下の透水構造や地下水流動パターンを可視化することを目指した。自然電位とは、地表や地中に自然に発生している直流的な電位であり、地下水流動が主な発生源である。このため、従来から自然電位を用いた地下水流動推定の試みがなされてきた。しかし定性的解析や、単純なモデルを用いた定量的解析が主流であった。
そこで申請者らは、地表での自然電位の分布の数値モデル化を実施した。まず地下の透水構造および地下情報(水頭や地下水の流入・流出量)を仮定し、地表での自然電位分布を予測できる数値計算コードを新たに開発した。ここでは不飽和層の影響も加味した計算が可能である。本コードを利用し、地中に高透水異常層や低透水異常層を配置した際に発生する自然電位分布の特徴を系統的に分類した。これにより、地下透水構造の不均質の情報が自然電位分布から得られる可能性を示すことができた。次に、自然電位分布と数地点での地下水情報に基づいて、地下の透水構造を逆解析する手法を新たに開発した。ここで室内実験結果に基づいて、自然電位の発生のパラメータと透水係数を簡単な経験式で結びつけ、逆解析の不確定さを低減した。数値計算の結果、本逆解析手法によって地下の透水構造モデルを適正に再現できることが確認された。
本逆解析手法を、浅井戸における注水試験時の自然電位観測データに適用し、井戸周辺の透水構造の推定を行った。その結果、掘削結果により明らかとなっている透水構造に類似した結果を得ることに成功した。以上より、水文学的情報と自然電位の組み合わせによる、安価かつ効果的な透水構造推定スキームを確立できた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Self-potential inversion for the estimation of permeability structure2014

    • 著者名/発表者名
      Ozaki, Y., H. Mikada, T. Goto and J. Takekawa
    • 雑誌名

      Journal of Environmental & Engineering Geophysics

      巻: 未定 ページ: 未定

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effect of subsurface hydraulic conductivity structure on self potential2014

    • 著者名/発表者名
      Ozaki, Y., H. Mikada, T. Goto and J. Takekawa
    • 雑誌名

      Near Surface Geophys.

      巻: 未定 ページ: 未定

    • 査読あり
  • [学会発表] 不飽和層の影響を考慮した自然電位インバージョン2013

    • 著者名/発表者名
      透水係数と流動電位係数の関係を考慮した自然電位インバージョン
    • 学会等名
      物理探査学会第129回学術講演会
    • 発表場所
      高知会館
    • 年月日
      20131022-20131022
  • [学会発表] 地下不均質性や降雨浸透により生じる自然電位異常シミュレーションと解釈2013

    • 著者名/発表者名
      透水係数と流動電位係数の関係を考慮した自然電位インバージョン
    • 学会等名
      物理探査学会第128回学術講演会
    • 発表場所
      早稲田大学 国際会議場
    • 年月日
      20130603-20130603
  • [図書] 地底の科学2013

    • 著者名/発表者名
      後藤忠徳
    • 総ページ数
      199
    • 出版者
      ベレ出版

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公開日: 2015-05-28  

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