本研究は地図学分野に大きな影響を与えてきたフランスの地図学者ジャック・ベルタン氏(2010年没)の地図学理論を系統的に整理することにより、デジタル化による地図制作という今日的なコンテクストの中で再評価しようというものである。 地図学理論の文献収集については一般的な文献検索および研究所の年次活動報告書によった。体系化については、英国の地図学会誌に論文を掲載した。再評価については、ベルタン理論が強調する地図記号の一義性・多義性の区別の重要性を古代の岩絵地図まで遡って確認した。また、近年開発された作図システムによりベルタン理論のデジタル処理への親和性を確認した。 ベルタン理論は一般化に向かっている。
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