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2012 年度 実施状況報告書

炎症関連大腸発がんにおけるレプチンシグナル系の関与

研究課題

研究課題/領域番号 23501262
研究機関金沢医科大学

研究代表者

甲野 裕之  金沢医科大学, 看護学部, 教授 (20221236)

研究分担者 尾山 武  金沢大学, 医学系, 助教 (00515314)
キーワード炎症とがん / 発がん / レプチン / 高脂血症
研究概要

近年、内臓脂肪蓄積を基盤とした肥満と大腸発がんとの関連が注目され、肥満と発がんを繋ぐ分子機構が徐々に解明されつつある。大腸発がんではアディポサイトカインの分泌異常の関与が指摘されており、レプチンシグナル系の異常と大腸発がんとの関連性が示唆されている。
本研究では、肥満のみならず炎症や免疫にも関わることが知られているレプチンに注目し、レプチンシグナル系よる炎症関連大腸発がんへの関与について検討を行い、レプチンシグナル系の修飾による大腸発がんの予防や治療の可能性を探ることを目的としている。
平成24年度はレプチンによる炎症関連大腸発がんの抑制効果の作用機序を明らかにするために、大腸粘膜における炎症関連因子の発現を中心に解析を行った。その結果、レプチン投与群ではレプチン受容体を介して活性化されるSTAT3のmRNA発現量が上昇しており、また炎症メディエーターであるTNFαのmRNA発現量は著明に低下していた。これらの結果より、レプチンによる大腸腫瘍形成の抑制には、STAT3を介したTNFαなどの炎症メディエーター産生の低下が関わっている可能性が示唆された。
また、レプチン受容体変異マウス(db/dbマウス)を用いた炎症関連大腸発がんの誘発を基にして、レプチン受容体の変異と大腸がん発生との関連性についても検討を加えた。db/dbマウスでは野生型マウス(+/+マウス)に比べ、大腸がんの発生頻度が有意に低下していること、さらに大腸粘膜における炎症関連因子のmRNA発現解析の結果、iNOS発現が著明に低下していることが認められたことから、db/dbマウスにおける炎症性大腸腫瘍形成には、大腸粘膜におけるニトロ化ストレスの低下が関与している可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成24年度の実験条件の変更を余儀なくされ若干の計画遅延が生じた。しかし、それ以降の研究については予定どおり進行しており、レプチン受容体変異マウス(db/dbマウス)を用いた実験を計画通り実施し、さらにpolygenicな肥満マウス(KK-Ayマウス)を用いた検討を準備している。

今後の研究の推進方策

平成24年度の結果を基にして、レプチン受容体変異マウス(db/dbマウス)を用いてレプチンシグナル系の異常ならびにレプチンシグナル系の修飾と大腸発がんとの関わりを解析する。さらに高レプチン血症を呈するpolygenicな肥満マウス(KK-Ayマウス)を用いて、炎症関連大腸がん発生に対するレプチンアンタゴニストの発がん修飾作用に関する検討を行う。

次年度の研究費の使用計画

「該当なし」

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] The effect of hedgehog singnaling pathway in colonic carcinogenesis2012

    • 著者名/発表者名
      尾山武
    • 学会等名
      第71回日本癌学会学術集会
    • 発表場所
      北海道札幌市(ホテルロイトン札幌)
    • 年月日
      20120919-20120921

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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