本研究は炎症関連大腸発がんへのレプチンシグナルの関与を解析し、レプチンシグナル系修飾による大腸発がんの予防や治療の可能性を探ることを目的とした。 ob/obマウス(レプチン欠損マウス)へのレプチン投与により大腸がんの発生が抑制され、この作用には血清総コレステロール、LDLコレステロールの低下、大腸粘膜の炎症メディエーター産生低下が関与していることを明らかにし、レプチンの炎症性大腸がん発生予防の可能性を示唆した。 またC57BLKS/J遺伝背景マウス(ob/ob、db/dbマウス系統)は炎症関連大腸発がん低感受性であることを示し、肥満マウスを用いた動物大腸発がん実験における有用な情報を提供した。
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