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2011 年度 実施状況報告書

新しい初代癌細胞3次元培養法を用いた低酸素によるDormancy誘導機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23501282
研究機関地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター(研究所)

研究代表者

奥山 裕照  地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター(研究所), 研究所, 研究員 (50432373)

研究分担者 井上 正宏  地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター(研究所), 研究所, 部長 (10342990)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード低酸素 / 初代培養 / 大腸がん / dormancy / MYC / HIF
研究概要

CTOSと癌細胞株との遺伝子発現の比較~代謝、特に解糖系酵素について~:我々が開発したヒト癌組織由来の3次元初代培養法(cancer tissue-originated spheroid: CTOS)を利用し、ヒト大腸癌のCTOSと2次元培養したがん細胞株との遺伝子発現をmicroarrayで比較検討した。とくに解糖系酵素発現について評価したところ、Glut, hexokinase2などでは両者に差は見られなかったが、PFKP, GAPDHなどではCTOSよりも癌細胞株で高い傾向が見られた。低酸素培養下でのCTOSの動態:CTOSを1%酸素下で1週間培養したところ、20%酸素下では約7~8倍に増殖するが、1%酸素下ではもとのサイズと変わらなかった。BrdU取り込み実験を行ったところ、20%酸素下ではBrdUの著明な取り込みが認められるが、1%酸素下ではBrdUの取り込みが無かった。Apotosisを測定したところ、20%酸素下でも1%酸素下でもapotpsosisは検出されなかった。リン酸化S6の抗体で免疫染色したところ、20%酸素下ではリン酸化S6は陽性だったが、1%酸素下ではS6はリン酸化されていなかった。低酸素培養下でのCTOSにおけるHIFとMYCの発現:大腸癌細胞株HCT116での解析ではc-Mycの発現低下が低酸素・低栄養環境下のdormancyに重要な役割を果たすことが示されたが、臨床検体からのヒト大腸癌細胞ではどのような分子機構が働いているか不明である。そこで、CTOSを低酸素下で培養し、HIFとMYCの発現を免疫染色で評価した。20%酸素下では、HIFは陰性でMYCの発現が見られた。一方、1%酸素下ではHIFの発現が見られるものの、MYCの発現は無くなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画ではヒト大腸癌での低酸素領域の代謝活性とdormancyと低酸素・低栄養環境下のdormancyに対する分子機構の解析を23年度の計画にあげており、現在2つのテーマともに結果が出始めている。このペースでいけば、24年度も予定通り計画を進めることができる。

今後の研究の推進方策

今後はとくに我々が開発した新規3次元癌細胞培養法(cancer tissue-originated spheroid: CTOS)を用いて、in vitro, in vivo両面からがんの低酸素応答を解析していく予定である。これまでのがん細胞株からは得られなかった新たな知見が得られることを期待している。

次年度の研究費の使用計画

引き続き、CTOS培養における消耗品や免疫不全マウスを用いたin vivoの実験に研究費を使用する予定である。またなんらかの分子に注目し、その遺伝子をノックダウンするためのsiRNAなどの購入に充てる予定である。

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公開日: 2013-07-10  

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