研究課題/領域番号 |
23501295
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
野村 幸世 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (70301819)
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研究分担者 |
豊田 武士 国立医薬品食品衛生研究所, 病理部, 研究員 (50443453)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 胃癌 / バイオマーカー / TFF / 胃炎 / 早期診断 |
研究概要 |
本年はラットにおいてヘリコバクター・ピロリ菌感染、MNNG投与を開始し、ラット胃に発癌を施した。現在、発癌を経過観察中である。一方、ラットの胃全摘術を発癌ラットとは別にラットを購入し、採血手技、手術の習熟にあたった。また、マウスへのヘリコバクター感染を施行、現在、MNU投与にて発癌を試みている。スナネズミにもヘリコバクター感染、MNU投与を行い、発癌を試みている。一方、胃癌以外の癌においても血清TFF3が上昇している可能性を探るため、膵臓癌患者血清にて血清TFF3の測定し、その上昇を確かめた。これは、胃癌以外の癌腫においても血清TFF3の上昇が認められ、血清TFF3が汎癌マーカーである可能性を示唆する結果である。また、膵臓癌の組織マイクロアレイを購入し、膵臓癌組織でのTFF3の発現を調べたところ、正常膵臓ではまったくTFF3は発現していないのに対し、膵臓癌組織では高率に発現していた。このことからはTFF3が癌以外のところから出ているばかりではなく、膵臓癌の場合、癌そのものから分泌されている可能性も示唆する。膵臓癌術後の血清TFF3の低下の有無を調べるため、術前術後のペア血清を収集中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年はラットにおいてヘリコバクター・ピロリ菌感染、MNNG投与を開始し、ラット胃に発癌を施した。現在、発癌を経過観察中である。一方、ラットの胃全摘術を発癌ラットとは別にラットを購入し、採血手技、手術の習熟にあたった。また、マウスへのヘリコバクター感染を施行、現在、MNU投与にて発癌を試みている。スナネズミにもヘリコバクター感染、MNU投与を行い、発癌を試みているが、動物実験の許可取得までに当初よりも時間をとり、また、ラットの実験を開始したために、マウスを飼育する場が不足となり、マウスは改めて許可申請をすることとなったために遅れをきたしている。しかし、予定年度内には胃癌が完成する予定であり、遅れは取り戻せるものと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
時間的にはやや遅延しているが、予定通りの内容にて、本年は発癌動物から血清を採取、発癌の有無の確認、ラットに関しては、胃全摘前後の血清を採取し、血清TFF3の高低、変化を観察すると同時に、発癌臓器以外からの組織抽出液に対しELISA法にてTFF3を測定し、担癌状態での変化を観察する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
動物犠死時における費用、採取組織よりパラフィンブロック、切片の作成。採取血清のELISAに用いる予定である。動物犠死時期が予定よりも遅延したために、次年度へ研究費使用が延期となった。
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