平成24年度行った胃癌術後再発症例において上昇する血漿中microRNA(miR)-92a、93、185のうち、リンパ節転移再発と相関を認めたmiR-185について、更なる症例の解析を行った。その結果、リンパ節転移再発症例でmiR-185が高値である傾向は認めたものの、有意な差は認めなかった(p=0.144)。また、リンパ節再発時の血漿中miR-185の上昇に関して、その組織由来について、同一症例におけるリンパ節転移の有無別のリンパ節組織中のmiR-185発現の解析を行ったが、有意な差を認めず(p=0.235)、由来組織の同定には至らなかった。 一方、平成23年度に行った胃癌患者の術前術後の血液を用いて行ったmiR micorarray解析から選定した血漿中miR-451、486について、術後フォローアップ中の定期的採血を用いた解析を行ったところ、再発時に上昇しない症例が多く存在することも判明した。同miRについては、先の解析において、胃癌組織中の発現低下も確認しており、その組織由来について、胃癌組織からの分泌型miRである可能性や、癌周囲の支持組織由来である可能性が考えられたた。しかしながら、食道癌患者の血漿解析でも同様に健常対照者に比較してmiR-451の高値を認めており、その組織由来を検討する目的で、担癌マウスモデルを作成し、今後引き続き解析を行う予定である。
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