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2012 年度 実施状況報告書

腹膜播種病巣制御ためのびまん型胃がん細胞に特異的な遺伝子治療ベクターの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23501322
研究機関独立行政法人国立がん研究センター

研究代表者

佐々木 博己  独立行政法人国立がん研究センター, 研究所, ユニット長 (60235265)

研究分担者 佐伯 宣久  独立行政法人国立がん研究センター, 研究所, 主任研究員 (80466200)
キーワード胃がん
研究概要

びまん型胃がんでも強く発現するがん遺伝子候補GSDMB遺伝子に着目し、そのプロモーターをルシフェラーゼレポーターに組み込み、プロモーター活性を調べた。ヒトの腹膜中皮細胞MeT-5Aで活性が弱く、6種のびまん型胃がん細胞株44As3, 58As9, 60As6, HSC44, HSC58, HSC60で活性が強いプロモーターを期待したところ、GSDMBプロモーターが6種のびまん性胃がん細胞株中5株で強い活性を示し、腹膜中皮細胞では基本レポーターべクター程度の活性を示すのみだった。そこで、このGSDMBプロモーターを細胞殺傷用プラスミドベクターに組み込み、細胞死誘導活性を測定したところ、上記プロモーター活性の強い胃がん細胞に高い活性を認めた。同時にHSVtk遺伝子を組み込んだレンチウイルスベクターも準備した。このベクターは、in vivo腹膜再発モデルマウスの抑制試験に使うため、染色体への挿入型を選択した。これは腫瘍内への遺伝子導入が充分でなくとも、バイスタンダード効果によって、染色体に組み込まれていない周囲のがん細胞や、殺傷から逃れた細胞分裂を休止させたがん細胞への効果が期待できる。さらに、特異的プロモーター以外にも強力活性を持つCMVプロモーターに細胞死誘導遺伝子GSDMAを連結させたアデノウイルスベクターを準備し、ウイルス粒子を大量に得た。このウイルスを胃がん細胞に感染させ、in vitroの細胞殺傷効果も確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成24年度の計画では、びまん型胃がんで発現し、腹膜中皮では発現しない遺伝子プロモーターを殺傷ベクターに組み込み、活性をin vitro, in vivoで評価する予定だった。In vivoの検討には、至らなかったが、80%の達成度と評価したい。

今後の研究の推進方策

本年度の検討でも明らかなように、腹膜中皮では発現せず、胃がん細胞でのみ発現するGSDMBプロモーターを殺傷ベクターに組み込みin vitroの効果を確認できた。最終年度には、HSVtk遺伝子を持つウイルスベクターに組み換え、in vivoの評価を行う計画である。一方、CAGやCMVプロモーターのような強い治療ベクターの評価も必要なことから、CAGプロモーターの付いたアデノウイルスベクターに組み込んだアポトーシス誘導遺伝子GSDMA(当初計画にある)による腹膜再発抑制効果を見る研究も行う。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度の請求額のうち直接経費は、ほとんど物品費(消耗品費)として使用する計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Intraperitoneal delivery of a small interfering RNA targeting NEDD1 prolongs the survival of scirrhous gastric cancer model mice.2013

    • 著者名/発表者名
      116. Fujita T, Yanagihara K, Takeshita F, Aoyagi K, Takigahira M, Chiwaki F, Fukagawa T, Katai H, Ochiya T, Sakamoto H, Konno H, Yoshida T, Sasaki H.
    • 雑誌名

      Cancer Sci.

      巻: 104 ページ: 214-222

    • DOI

      10.1111/cas.12054

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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