研究課題/領域番号 |
23501326
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
柳生 聖子 愛知医科大学, 医学部, 講師 (50268017)
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研究分担者 |
菊地 正悟 愛知医科大学, 医学部, 教授 (40224901)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | コーホート研究 / 胆道がん / 地域集団 |
研究概要 |
平成元年に文部科学省の補助による大規模コーホート研究ベースライン調査に回答した佐久地区住民について、平成15年12月末までの胆道がん死亡はすでに把握しており、本年度は平成16年1月より平成21年末までの胆道がんの死亡状況を追跡した。その結果、平成21年末までの全追跡期間中、胆道がん死亡は135名(胆嚢がん51名、その他の胆管がん84名)であった。なお、この期間の対象者の転出状況も把握した。ベースライン時における33品目の食物摂取頻度より五訂日本食品標準成分表を用いて、エネルギー量、蛋白質、脂肪、炭水化物、ビタミン類、食物繊維、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸等の個人の推定栄養素摂取量を算出し、胆道がん死亡との関連を性・年齢調整したハザード比にて検討した。エネルギー、蛋白質の摂取量が多くなるほど、ハザード比は低くなる傾向を示し、脂肪、不飽和脂肪酸の摂取量が多くなるほど、ハザード比は高くなる傾向を示したが、いずれも有意差は認められなかった。炭水化物、食物繊維、ビタミン類では関連は認められなかった。さらに、喫煙習慣、飲酒習慣、運動習慣と胆道がん死亡との関連も検討した。運動習慣のある者は、ないものに比べ、胆道がん死亡のハザード比は低くなる傾向を示したが、有意ではなかった。喫煙習慣、飲酒習慣は胆道がん死亡との関連は認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度は、平成16年より平成21年までの胆道がん死亡の追跡を行うことと、ベースライン時における33品目の食物摂取頻度より五訂日本食品標準成分表を用いて、エネルギー量、蛋白質、脂肪、炭水化物、ビタミン類、食物繊維、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸等の個人の推定栄養素摂取量を算出し、胆道がん死亡との関連を検討を検討する計画であり、それらについて検討を実施した。 さらに、胆道がん死亡との関連が示唆されている、喫煙、飲酒、運動習慣についても、ベースライン時の問診票データより、これら項目と胆道がん死亡との関連についても検討することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、身体症状、既往歴、婚姻状況、食習慣、食品摂取頻度等のベースライン時の生活習慣に関するデータを用いて、胆道がん死亡の危険因子の探索をを行い、多重ロジステックモデルや比例ハザードモデルによる分析を行い、年齢別の危険因子の影響の違いや、因子間の相互作用についても検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度は、身体症状、既往歴、婚姻状況、食習慣、食品摂取頻度等のベースライン時の生活習慣に関するデータを用いて、胆道がん死亡の危険因子の探索をを行う。 さらに、胆道がん死亡を胆嚢がん死亡(C23)、その他の胆管がん死亡(C24)に分けて、それらと推定栄養素摂取量、生活習慣等の関連を検討する。
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