研究課題
調査した井戸水の硝酸態窒素濃度は3.2~25.1 mgN/L、δ15Nは2.7~9.4‰であり、汚染源として化学肥料由来窒素が40~79%、堆肥由来窒素が18~56%と推定された。井戸水のSF6濃度は0.28~2.64 f mol/kgで、概ね大気の溶解平衡濃度の範囲内であった。SF6による年代解析では、地下水の滞留時間(2012年現在)は2~33年間と推定された。水源井戸(4本)および観測井戸(1本)については、トリチウム(3H)も測定した。これらの井戸水の3H濃度は1.2~3.2TUであり、いずれの地下水も1953年の大気核実験開始以降の降水に由来していることを示し、SF6による年代解析の妥当性を裏付けた。水道水源および観測井戸(いずれも30m以上の深井戸)の地下水の硝酸態窒素濃度は、滞留時間が20年弱(1993~94年涵養)の井戸で極大を示し、15年未満(1997年以降涵養)の井戸では比較的低濃度であった。調査した豊丘村では、堆肥を含む施肥量が過去40年以上にわたり減少し続けており、水道水源などの深井戸の硝酸態窒素濃度は施肥量の減少を反映している可能性がある。個人井戸は浅井戸が多く、硝酸態窒素濃度と滞留時間とには明瞭な関係は認められなかった。浅井戸では局地的汚染の影響を受け易いのであろう。
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信州大学環境科学年報
巻: 36 ページ: 16-28
http://www.shinshu-u.ac.jp/group/env-sci/Vol36/V36_2014.htm
巻: 36 ページ: 50-53
Soil Sediment Contam.
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