大気中の炭酸ガス濃度の増加と窒素施肥が、土壌中の窒素・炭素化合物の化学的特性変化や代謝速度に与える影響を解析した。CO2濃度が高まると、土壌中の有機窒素化合物濃度が高まる。また窒素施肥量を高めると、さらに有機窒素化合物濃度が高まるため、土壌の肥沃度が高くなり、農業生産に有利になることが明らかとなった。 土壌腐植物質の主成分であるフェノール酸の13C存在割合を調べたところ、エーテル結合フェノール酸は、エステル結合フェノール酸より大気炭素の取り込み速度が速いことが明らかとなった。また高濃度CO2ほどフェノール酸の炭素回転率が高くなる傾向もはっきり確認された。施肥窒素の影響はほとんど受けなかった。
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