研究課題/領域番号 |
23510013
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
服部 寛 東海大学, 生物学部, 教授 (60208543)
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研究分担者 |
佐々木 洋 石巻専修大学, 理工学部, 教授 (10183378)
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キーワード | 植物プランクトン / 円石藻類 / 海洋酸性化 / 地球温暖化 / 西部北太平洋 / 南極海 / 珪藻類 |
研究概要 |
地球温暖化が原因となる海洋酸性化が植物プランクトン、特に炭酸カルシウム殻をもつ円石藻類に対する影響を調べるための酸性化予測実験を行った。現場における分布密度の把握と酸性化予測実験の結果のサンプル分析は全て終わっていないが、これまでの結果では現存量が多い円石藻類の種ほど酸性化の影響を受けると推定出来る結果を得ていて、現在この原因の理論的背景を構築している段階である。 北太平洋と比較を目的に南極海においても、酸性化実験を実施し、現在はその試料の解析を行うと同時に、25年度も現場実験を重ねて、さらなる酸性化にたいする円石藻類の応答に加え、植物プランクトン現存量で優先するといわれる珪藻類にも着目して、試料の分析を勧める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
23年度は研究分担者が第52次南極地域観測隊夏隊に参加し、動物プランクトンに対しては十分な実験や試料の処理が進まなかったが、植物プランクトンに関しては処理も順調に進んでいる。実績概要でも述べたが、現存量と酸性化の影響が正の相関を持ちそうであることについて24年度も継続して予測実験を行ったが、充分な裏付けとなるデータの処理が終わっていない。また24年度は研究代表者が53次南極観測隊夏対に参加し、南極海において酸性化予測実験を行えたことは当初の計画に無い、比較対象研究の充実に繋がっていると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
25年度が採集年度になるため、これまで西部北太平洋亜寒帯海域で行った酸性化予測実験の円石藻類に対する結果の印刷発表を第一の目的とするが、比較対象海域となる南極海での酸性化予測実験の結果と比較して、地球規模での酸性化が基礎生産者に及ぼす影響を、数値をもちいて具体的に表すことを考えてゆきたい。 また、試料の処理も完了していないので、処理を継続しながら、その結果を学会での口頭発表(平成26年2月、ASLO学会で発表予定)を順次行ってゆく。
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次年度の研究費の使用計画 |
25年度は試料処理の継続のための薬品類、ろ紙等の実験消耗品の購入と、実験経過と結果の記録のための記録機器購入のほか、国内外での学会発表(日本海洋学会とASLO)のための旅費を中心に研究費を使用する。
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