伊勢湾の貧酸素水隗は観測が開始された1980年代後半より長期的に発生を続け、水質総量規制が進んだ現在でも終息の気配が見えない。この現象を解明するために、大規模なコンピュータモデルを構築し、高度経済成長期以前の1950年から約90年間の長期間シミュレーションを実施した。 コンピュータモデルは伊勢湾の貧酸素水隗の発生と長期化現象を良好に再現し、海底に蓄積した有機物と現在の陸域負荷(特に窒素)の高止まりの両方が長期化に関係することを定量的に明らかにした。本研究成果は、今後の水質総量規制の目標値の設定に役立てることが可能である。
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