研究概要 |
研究では、海洋における低温環境の"場"として、深海(2,000m以下)と表層(水温15℃以下)について設定し、海水試料の採取を実施する。平成23年度は、低温細菌を用いた酸化損傷塩基の生成・蓄積・分解について生化学的・遺伝学的研究を実施した。低温細菌として、Pseudoalteromonas sp.(Maruyama A et al. Marine Biol, 128:705-711,1997)、Psychrobacter sp.(Maruyama et al. Int J Syst Evol Microbiol, 50:835-846,2000)を用いるが、対照として大腸菌と枯草菌(中温菌の代表菌)および乳酸菌(絶対嫌気性菌の代表菌)も併せて実施した。さらに、酸素発生型光合成細菌としてCyanobacteriaについても実施した。その結果、いずれの菌株も低温条件では酸化損傷塩基の生成が増大すること、また定常期に比べ対数増殖期において著しい酸化損傷塩基の蓄積が見られた。
|