研究概要 |
本研究は、細胞内変異原として酸化損傷塩基が低温環境でどれくらい生成・蓄積しているのかを解析した。房総沖(約6,000m)および南部マリアナ海域(約2,900m)から深海細菌をそれぞれ分離し、酸化損傷塩基の分解遺伝子MutTを大腸菌由来同遺伝子と比較したところ、MutTの比活性は大腸菌より約2倍の高い値を示し、酸化損傷塩基に対する基質特異性が大腸菌より著しく高かった。次に、8-OH-G生成量を調べるために、MR09-04航海(JAMSTEC)にて採水した深海海水中の微生物ゲノムDNA中の8-OH-G量を測定した結果、深海微生物の方が表層微生物よりも約10倍多く蓄積していることが判明した。
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