研究成果の概要 |
沖縄の日本脳炎ウイルス(JEV)の歴史的変遷を遺伝学的、生物学的に概観した。沖縄島分離株の分子系統解析から、沖縄には古くから大きく3系統、cluster I (1971-1982,遺伝子型(G)3), II(1986-1992、G3), III(1998-2008、G1)が確認され、約15年ごとに系統の出現と消失が見られた。国内外株との関係から類推される侵入経路は九州を通り南下するルートが強く示唆された。本研究から沖縄では土着と侵入の両機序により感染環を維持していることが明らかになった。cluster IIIのマウス神経侵襲性毒性が明らかに低く、抗原性は株により多様であった。
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