植物病原菌は極地の野生植物の多くに感染しており生育や集団形成に影響を及ぼすと考えられるため、それらの感染様式などを特徴づけることは重要である。本研究では、高緯度北極域スバールバル諸島に生息する植物病原菌等について分類学的・生態学的特徴の一部を明らかにした。まずキョクチヤナギ寄生性子のう菌のRhytisma属1種とカギハイゴケ寄生性卵菌のPythium属1種を、Rhytisma polare およびPythium polareとして新種記載した。さらにこれらの植物病原菌がそれぞれの宿主植物に病害を起こすことと、それらの発生が降雨などの気象要因によって影響を受けている可能性を明らかにした。
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