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2013 年度 実績報告書

黄砂による日常症状に見られる健康被害に関する広域調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 23510033
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

赤羽 学  奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (40326327)

キーワード黄砂 / 健康被害 / インターネット / 健康調査 / 不眠
研究概要

本研究課題では、我々がこれまでに確立したインターネットを介した健康調査システムを用いてアレルギー症状を日々収集し、黄砂飛来量との関係を分析した。
1月から3月末までの時期で、東京と兵庫在住の方を対象として、アレルギー症状や不定愁訴等を含む日々の症状の有無を毎日調査した。調査項目は、咳、くしゃみ、鼻水、目のかゆみ、皮膚の掻痒感、手あれ、発疹、不眠等の有無である。
黄砂量と収集した毎日の症状との関連を見るため、同時期の黄砂量のデータを入手し、それぞれの症状の有無とを掛け合わせて分析した。黄砂量は、国立環境研究所のLIDARによる観測データを用いた。黄砂とほぼ同じ頃に、花粉が飛散するため、環境省が発表している花粉飛散量に関するデータも合わせて分析に用いた。院外心肺停止症例に関しては消防庁が公表しているデータを用いた。各症状の有無を従属変数とし、対象者の性別、年齢と各調査日の最高気温、湿度、花粉量、黄砂量を共変数としてロジスティック回帰分析を行った。本システムを用いた調査に対する回答率は34.6%であった。アレルギー症状の報告数は、2月上旬から増加傾向を示した。有症状率は鼻水:25、咳:8、くしゃみ:16、目のかゆみ:17(%)であった。ロジスティック回帰分析結果で、黄砂量と関連が強かった症状は、鼻水、咳、目のかゆみであった。呼吸器系疾患を原因とした院外心肺停止患者の予後と黄砂量の関係に関しては分析を行ったものの明らかな関連は見られなかった。他の要因の影響が強いと考えられる。
本研究では、黄砂によってアレルギー症状が誘発されている可能性が示唆されただけでなく、花粉症患者においては花粉飛散量と不眠にも関連があること、つまり花粉症患者が花粉飛散量が増加すると不眠症状が強くなるが判明した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Prevalence of Insomnia Among Residents of Tokyo and Osaka After the Great East Japan Earthquake: A Prospective Study.2013

    • 著者名/発表者名
      Hiroaki Sugiura, Manabu Akahane, Yasushi Ohkusa, Nobuhiko Okabe,Tomomi Sano, Noriko Jojima, Harumi Bando, Tomoaki Imamura.
    • 雑誌名

      Interactive Journal of Medical Research

      巻: 2(1) ページ: e2

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Internet survey of the influence of environmental factors on human health: environmental epidemiologic investigation using the Web-based Daily Questionnaire for Health.2013

    • 著者名/発表者名
      Tomomi Sano, Manabu Akahane, Hiroaki Sugiura, Yasushi Ohkusa, Nobuhiko Okabe, Tomoaki Imamura.
    • 雑誌名

      International Journal of Environmental Health Research.

      巻: 23(3) ページ: 247-257

    • 査読あり
  • [学会発表] 花粉症シーズンにおけるアトピー性皮膚炎患者の皮膚症状の日々の発生頻度の検討2013

    • 著者名/発表者名
      杉浦弘明、赤羽学、鬼武一夫、今村知明
    • 学会等名
      第72回日本公衆衛生学会総会
    • 発表場所
      三重県総合文化センター
    • 年月日
      20131023-20131025

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公開日: 2015-05-28   更新日: 2020-02-07  

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