有機フッ素化合物の環境影響調査の一環としてフッ素含有医薬品レボフロキサン (LVFX)、トスフロキサシン (TFLX)の土壌自活線虫C. Elegansに対する影響を調査し、フッ素を含まない類薬であるナリジクス酸 (NA) の効果と比較した。全ての薬剤がC. elegansの発生・成長段階に影響を与えていたが、LVFX, TFLXではNAよりも低濃度で影響が観察され、加えてNAにない生殖や成長に関与する遺伝子の発現抑制が見られた。以上の結果は、既報の有機フッ素化合物摂取による出生児体重減少・精子奇形等の影響を支持するものであり、今回の影響に構造中のフッ素が関与している可能性が示唆された。
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