流域管理を考える上で、気候変動が河川生態系に与える影響は深刻な問題である。しかし水生生物が被る直接的な影響は、主に河川水温度の上昇によってもたらされる。そして水温の上昇は、気候変動のみならず人為的な流域の構造的変化によって強く影響を受ける。我々は釧路川と全国を対象とし、分布型の降雨流出モデルを用い、土地利用変化が河川水温の変化と淡水魚類の生息地に与える影響に関して研究を行った。 主たる成果は以下の3点である。1)2050年を想定した流域の土地利用変化予測とGIS化。2)数値モデルを用いた年間流況および水温変動の再現。3)土地利用変化と気候変動が河川水温の変動及び生息適地に与える影響の空間的評価。
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