従来の住宅用PVシステムに関連した政策や研究は、実際に同システムを購入・運用するユーザーの利益や故障などのリスク発現に伴う不利益など、「消費者保護」の観点を十分に考慮しておらず、消費者が同システムを長期的利用することによってはじめて実現する「社会定着」の検討を十分に実施してきたとは言い難い。そこで本研究は、既存研究のレビュー、費用と技術的信頼性に関する消費者選好の構造の調査、混合ロジット・モデルによる定量化を行い、今後の更なる住宅用PVシステムの社会への普及方策を検討するとともに、不確実性を考慮しつつ消費者の存在を明確に考慮した、同システムの社会定着シナリオを導出することを目的とした。
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