| 研究課題/領域番号 |
23510043
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| 研究機関 | 名古屋大学 |
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研究代表者 |
白川 博章 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (50393038)
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| 研究分担者 |
沖 一雄 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (50292628)
東 修 広島大学, 国際協力研究科, 准教授 (70464154)
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| キーワード | バイオエタノール / 中国 / 内蒙古 / 水利権 / 水権取引 / CDM / PPP / 西部開発 |
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| 研究概要 |
平成24年度は省別の第２世代バイオ燃料供給ポテンシャル検討した。平成25年度は24年度の成果をさらに精査するとともに、現行のバイオ燃料供給量についても調査を行った。また、深刻な水不足が起きている黄河流域を一部に含む内蒙古自治区を対象に、水とエネルギーのバランスのとれた開発について研究を行った。
まず、現行のバイオ燃料供給については吉林省など５カ所でバイオエタノールを製造しており、主な原料はトウモロコシ、小麦、キャッサバが用いられているが、特にトウモロコシが利用されることが多く、第２世代はまだほとんど利用されていない。他方、バイオエタノールの供給量は、キャッサバを原料とするもの以外は増加傾向にあり、食料と競合しないバイオエタノールの開発という目標の達成は、難しいことが明らかになった。
次に、水とエネルギーのバランスのとれた開発については、豊富な石炭資源を有する内蒙古自治区において西部大開発に基づき地域開発を図るためには、水供給制約下での効果的な東部沿岸域へのエネルギー供給が求められる。このため内蒙古自治区では、発電セクターが農業セクターに節水型灌漑システムを導入し、得られた余剰水を発電用に活用する「水権取引」が実施されている。ただしこの仕組みだけでは二酸化炭素の増大に歯止めがかからないため。再生可能エネルギーの普及促進等を含む新たな地域社会システムの構築が急務である。こうした背景から平成24年度では，西部大開発，再生可能エネルギー中長期発展計画という異なる観点から地域開発を図る国家戦略が内蒙古自治区の経済及び環境に及ぼす影響について、各種文献のレビューを中心に評価し、同自治区の持続的な発展のための課題を明らかにした。その上でPPP、CDM等の国際的な枠組みと水権取引を融合した新たな地域開発の仕組みを提案し、その期待される効果、課題について議論した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
省別のバイオエネルギーの情報および黄河流域での情報の収集は、概ね当初の予定通り進んでいる。
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| 今後の研究の推進方策 |
平成２３年度は省レベルにおいて、第２世代バイオエタノールの供給ポテンシャルの推計に取り組んだ。平成２４年度は、それを踏まえ、黄河流域における水とエネルギーのバランスのとれた開発を、深刻な水不足に直面している黄河流域の内蒙古自治区を例に検討した。
以上を踏まえ、平成２５年度は、以下の目標に取り組む。すなわち、1)エネルギー自給率の向上に対する効果、2)温室効果ガス排出削減効果、3)農村振興に対する効果、の３つの観点からバイオ燃料活用の意義と限界を地域別に明らかにする。
具体的には、省レベルのマクロ的分析においては、省レベルで、上記の課題をまとめる。次に、マクロ分析では十分補足できない点については、特定の地域を対象として詳しく分析する。バイオ燃料の増産により、水や食料との競合が特に懸念されている、黄河流域の西安市を対象として、システムダイナミクスの手法を用いて水循環、汚濁物質負荷課程ならびに社会経済システムを統合したモデルを構築し、各種政策を実施した場合の水環境改善効果、地域経済の発展効果等について評価を行う。
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| 次年度の研究費の使用計画 |
本年度は、最終年度に当たるため主に研究成果の取りまとめに関する研究打ち合わせに関する旅費と、研究発表にかかわる学会出席、および論文投稿費用、翻訳代などが中心になる予定である。
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