研究課題/領域番号 |
23510056
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研究機関 | 日本福祉大学 |
研究代表者 |
西村 一彦 日本福祉大学, 経済学部, 教授 (00351081)
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キーワード | 産業連関 / 経済統計学 / 数理計画 / 環境 / エネルギー |
研究概要 |
地域山号連関表の整備・推定:中国における地域間産業連関表を整備することを目的として,詳細な文献調査を行った結果,各省レベルの信頼できるデータの入手には至らなかったが,中国統計局による2002年,2007年17部門8地域間表を基本データとすることができた。ただし,この表はチェネリー型のMulti-regional Tableの形式であり,しかも交差輸送が無視されているため,これまでに実績のあるグラビティモデルを応用した方法で,交差輸送を排除しない地域間交易を推定するための調整を行っている。 この方法の遂行のためには,地域間の距離を測定する必要があり,実績のある人口加重距離の測定のためのデータ整備に着手している。動学化に必要な固定資本形成については,今後推計が困難であることが予想され,代替案を検討している。また,人口動態についてのデータ整備に関する検討を行ったが,これも困難が予想され,代替案を検討している。 エネルギー・環境情報の整備・推定:地域別産業別の生産技術の文献調査等を行い,エネルギー消費,それに伴う二酸化炭素排出について,排出原単位を獲得した。 大気汚染物質については,信頼できる実測データが存在しないため,今後さらなる調査に加えて,排出原単位の推定方法を文献調査などで推進していくための予備的調査をおこなった。精華大学にて開催された中国投入産出学会にて,周辺研究の動向調査および研究発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実施計画にある当該年度の予定について,未達成事項が存在する。具体的には,固定資本マトリクスの推定と人口動態についての基本データを整備することができなかった。 今後は若干方針を転換し,動学モデル化よりも地域間特性に関する分析を重点化する。
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今後の研究の推進方策 |
〇 引き続き,エネルギー・環境情報の整備と,地域間の交易の推定(特に交差輸送に関しての推定)を行う。 〇 動学モデルについては予定よりも簡略化したモデルの構築を行う。 〇 データ管理や数値計算を一元化する環境を構築する。
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次年度の研究費の使用計画 |
初年度に予定していたソフトウェアおよび必要なデータ購入が今年度も未達だったため,次年度使用額が生じた。 次年度に予定している動学モデル構築に則して適宜これらの使用を予定している。 動学モデルについては簡略化するものの,数値計算については同様の環境整備が必要であることから,本研究に即した数値計算ソフトウェアを導入する。 現地調査及び情報収集整理について,前年度に達成できなかった部分を実施する。 国際学会発表については,予定通り実施する。
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