エネルギー・環境分析を地域産業連関分析を用いて行う場合,問題となるのは,公刊されている地域産業連関表の地域区分と,エネルギー環境分析に適した地域区分とが異なることである。この場合,地域区分の変更を行うが,それに伴い地域間交易構造を推定し直す必要性が生じる。地域間交易構造の推定は容易ではなく,とくに交差輸送を排除しない推定は困難であると考えられてきた。そこで本研究では,数値が得られている地域間交易IRIOの情報を利用しながら,貿易論で標準的なグラビティモデルに基づき,希望する地域区分の地域間交易を,交差輸送を排除しないで推定する手法の開発を行い,中国の統計を用いて良好な結果を得ることができた。
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