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2013 年度 実績報告書

非相同末端連結によるDNA二重鎖切断修復の新しい制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 23510066
研究機関熊本大学

研究代表者

矢野 憲一  熊本大学, パルスパワー科学研究所, 教授 (70311230)

キーワードDNA修復 / DNA損傷 / XLF / 非相同末端連結
研究概要

DNA二重鎖切断(DNA double-strand break、以下DSB)は最も重篤な細胞障害の一つであり、その速やかな修復は細胞の恒常性維持に重要である。DSB修復には相同組換えと非相同末端連結(Non-homologous end-joining、以下NHEJ)の二つの分子機構が主要な役割を担っている。本研究ではNHEJの基本因子に着目し、それらの機能解析を行った。XLFはNHEJ基本因子であり、DSBが細胞内に生じると速やかに損傷部位へ集積する。放射線高感受性遺伝病患者から見出された一アミノ酸置換を持つXLFはユビキチン化とそれに伴うプロテアソームによる分解を受けることを明らかにしてきたが、そのユビキチン化部位を解析するため、一連の欠失体を作成し、これを用いてユビキチン化部位が生じる領域を限局した。この領域内のリジン残基をアルギニンに置換した変異体を作製し、現在、ユビキチン化部位の同定を進めている。またこれまで外部施設で実施してきたライブイメージング解析を自らの研究施設で実施できるように、パルスレーザーによるDNA損傷誘導とライブイメージングを実施するための装置を導入した。NHEJの制御にイノシトール6リン酸(IP6)が関与することが無細胞系の解析から示唆されてきたが、細胞内環境におけるイノシトール代謝系がNHEJに与える影響を解析するため、イノシトール5リン酸(IP5)からIP6への合成を触媒する酵素であるInositol 1,3,4,5,6-Pentakisphosphate 2-KinaseならびにIP5の合成を触媒する主要酵素であるInositol polyphosphate multikinaseのcDNAを取得した。これらにGFPを付与した発現プラスミドを構築し、パルス照射によるDNA損傷誘導時の細胞内タンパク質挙動のライブイメージング解析を実施した。その結果、これらの酵素自体はDSB部位に直接は作用せず、代謝産物の核内拡散がNHEJに影響を及ぼしている可能性が強く示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Nanosecond pulsed electric fields induce poly(ADP-ribose) formation and non-apoptotic cell death in HeLa S3 cells

    • 著者名/発表者名
      Ken-ichi Yano and Keiko Morotomi-Yano
    • 学会等名
      10th International Bioelectrics Symposium
    • 発表場所
      Karlsruhe, Germany

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公開日: 2015-05-28  

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