非相同末端連結(NHEJ)はヒトにおけるDNA二重鎖切断修復の主要機構であり、KuとXLFはそこで中心的な役割を担う因子である。一アミノ酸置換(R57G)を生じるXLF遺伝子変異は放射線高感受性遺伝病の原因となる。本研究ではKuタンパク質上のXLF相互作用部位を解析するとともに、Ku-XLF相互作用がイノシトール6リン酸によって増強されることを明らかにした。細胞内においてDSB部位へXLFの集積はKu依存的であるが、R57G変異を持つXLFであっても正常型と同様にDSB部位に集積した。しかし正常型では生じないユビキチン化が変異型XLFに生じており、病態発症との関連が強く示唆された。
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