研究課題
1. 小脳初代培養細胞を用いた解析; Mf-1マウスは点変異を持つTRbeta1-G345R を小脳Purkinje 細胞に特異的に発現させたマウスであり、小脳に限局した変異TRの影響を解析することができる。Mf-1マウス由来の小脳初代培養細胞の解析を進め、免疫組織化学法と同様にHomoのマウス由来のPurkinje細胞樹状突起の抑制が認められた。Hetero型は野生型とHomo型の中間の抑制傾向を認めたが、有意差はなかった。また、Rotarod法による小脳機能異常やTH標的遺伝子の発現の抑制とも一致した結果であった。興味あることに、Purkinje細胞のみならず、顆粒細胞に発現するTH標的遺伝子も発現が抑制されることが分かった。2. アストロサイトを含めた系の解析; Lipopolysaccharide (LPS)がT4に関与するアクチン重合化やD2活性に影響し、その機序はp38MAPキナーゼを介するものであることが分かった。3. 甲状腺機能低下動物,及びTR遺伝子改変動物の解析; サイログロブリン点変異を有するrdwラットは甲状腺機能低下症を呈し、Rotarodテストにより小脳機能異常、24時間行動解析により、行動量の低下を認めた。4. 新規コリプレッサーの解析; brain-derived repression molecule (B-ReM)の解析を行い、転写抑制に関与する領域及び、TRと相互作用する領域の特定を進めた。クロマチン上でB-ReMと結合した核内ホルモン受容体の相互作用を解析した。本研究から、環境化学物質の中には甲状腺系に促進的に作用するものと、抑制的に作用するものがあり、作用機序も物質により多様であることが分かった。個々の化学物質の作用機序及び標的領域に応じてスクリーニング系を考える必要があることが分かった。
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