研究課題/領域番号 |
23510073
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
渡辺 元 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (90158626)
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研究分担者 |
田谷 一善 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (60092491)
永岡 謙太郎 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (60376564)
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キーワード | ニトロフェノール / 環境 / 生殖毒性 / ディーゼル排気ガス |
研究概要 |
マウスの正常乳腺上皮細胞(Eph4)に対して、PNMCとPNP共に10の-8乗~10の-4乗Mにおいて細胞増殖の促進が見られたが、乳がん由来細胞(NMuMG、4T1)に対しては増殖作用を示さなかった。 ヒトの乳がん由来細胞(MCF7)においてもPNMCとPNP共に細胞増殖の促進作用が認められなかった。興味深い事に、PNMCの10の-4乗Mにおいて細胞増殖の抑制が認められたが、PNPにおいては同じ濃度でも変化が見られなかった。 PNMCとPNPの違いや細胞の状態によって、感受性が異なる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、ニトロフェノール類の副腎機能や性腺への作用を明らかにする一連の実験及びエストロゲン反応性乳癌に関する研究を通じて、以下の4点を明らかにする事を目標としている。 1) 次世代影響、特に脳の性分化に関する影響を明らかにする。2) 下垂体、卵巣、精 巣、副腎の細胞レべルでの作用メカニズムを解明する。3) 株化乳癌細胞(in vitro)を用いて、ニトロフェノール類の乳癌細胞増殖活性化作用を明らかにする。4) 株化乳癌細胞系を用いるニトロフェノール類の新しい影響評価法を開発する。 本年度は、3)のヒトの乳がん由来細胞およびマウスの正常乳腺上皮細胞(Eph4)に対する影響を明らかにすることができた。 1)、4)については今後実施の予定である。
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今後の研究の推進方策 |
以下の2つの項目に取り組む。 1) 次世代影響、特に脳の性分化に関する影響を明らかにする。 4) 株化乳癌細胞系を用いるニトロフェノール類の新しい影響評価法を開発する。 1)については、実験方法は既に確立している。 4)については、24年度に使用したヒト乳腺腫瘍の細胞では増殖活性が見られなかったことから、他のヒト乳腺腫瘍株化細胞およびマウス乳腺の株化細胞を使用するなどを計画している。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究費は、実験動物、飼育飼料、ホルモン測定に使用する。
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